ME&YOU 11月号より

『 インフルエンザについて 』

社会医療法人 福島厚生会
福島第一病院
内科科長 佐藤 晶彦

 

ウイルスには DNA ウイルスと RNA ウイルスがあり、 RNA ウイルスの中のオルソミクソウイルス科の中に A 型、 B 型、 C 型インフルエンザウイルスがあります。大きな流行を起こすのは A 型と B 型です。 A 型と B 型のインフルエンザウイルスの表面には赤血球凝集素:ヘマグルチニン (HA) とノイラミニデイス (NA) という変異の激しい糖タンパク質があります。 A 型インフルエンザウイルスには HA で 16 種、 NA で 9 種の変異があり、 A 型インフルエンザウイルスの亜型は H1N1 や H3N2 などと略されてきました。

現在世界中で流行している新型インフルエンザは、新しい H1N1 を持つ A 型インフルエンザウイルスよって引き起こされる病気です。新型インフルエンザウイルス遺伝子は豚インフルエンザ由来の遺伝子と、鳥のインフルエンザ由来の遺伝子にヒトインフルエンザ由来の遺伝子が組み入れられてできた遺伝子で、ほとんどの人が免疫を持っていない抗原をつくりだしています。

症状は従来の季節性インフルエンザと変わりません。 38 度以上の急な発熱、咳、のどの痛み、頭痛、筋肉痛そして下痢や嘔吐を伴うことがありますが、やはり急な 38 度以上の高熱が出るときがインフルエンザがもっとも疑わしいでしょう。

季節性インフルエンザは毎年流行してきたため、免疫を持っている人がかなりいますので小さな流行は起こしても大流行は起こしませんでした。

新型インフルエンザは免疫を持っている人がほとんどいませんので、大流行を起こすと考えられています。従来インフルエンザといえば主に冬の病気でした。しかし、新型インフルエンザは夏でも流行し続け、患者を増やしてきました。大流行になるのもすぐのことでしょう。 1 回の大流行の後で、冬の季節がやってきます。次の大流行を起こす可能性が高いのです。多くの人が免疫を持ってしまうまで大流行が繰り返されると考えられています。

現在の季節性インフルエンザには薬剤耐性のものが多く見られますが、幸い新型インフルエンザにはタミフル耐性はほとんど見られません。タミフルやリレンザにはほとんどが感受性です。つまり薬が早期であれば効くということです。

インフルエンザにかかったと思うときは、かかりつけの医師の下で、診察を受け、調剤薬局で抗ウイルス剤のタミフルやリレンザをもらって服用して下さい。しかし、みだりに外出してインフルエンザを広めては困ります。ですから、慌てないで、急な高熱が出たらまずかかりつけの医師に電話をして、医師の指示に従って、他の患者さん方とかち合わないように受診しましょう。薬も代わりの人がもらうなどして外出は控えましょう。