ME&YOU 1月号より

かぜ予防と食生活
栄養のとり方を見直そう

社会医療法人福島厚生会  
複合施設 ホリスティカかまた
管理栄養士
佐々木 鮎美


「かぜ」とは病名ではありません。病原体の感染によって上気道(鼻腔・咽頭、喉頭)が炎症を起こす様々な症状を総称したものです。ほとんどの「かぜ」の場合、空気中に漂うウイルスが上気道の粘膜に付着して炎症が起こり、鼻水やくしゃみ、せき、喉の痛みなどが現れます。くしゃみやせきはウイルスを体外に追い出そうとする働きでもあります。また、発熱によって高温が苦手なウイルスを増殖できないようにしたり、免疫活動を活発にさせます。つまり「かぜ」の諸症状は、体がウイルスと闘っている証拠なのです。「かぜ」をこじらせると、持病が悪化したり、気管支炎や肺炎を招きます。高齢者の場合は肺炎を悪化させて命を落としかねません。若い方でも過労や栄養不足で抵抗力が落ちているときは要注意です。

かぜに負けない丈夫な体をつくるためには体を温め、睡眠を十分とると共に、 1 日 3 食「栄養バランス」のとれた食事を摂ることが大切です。しっかり食べて、体に必要な栄養を補い免疫力や抵抗力をつけましょう。

 

かぜ予防に役立つ栄養素と食品

〜良質のたんぱく質〜

【働き】筋肉や血液の材料となる他、ホルモンや酵素、免疫物質をつくる原料になります。

【多く含む食品】マグロ赤身、かつお、若鶏ささみ、豚ヒレ肉、牛もも赤身、卵、大豆、納豆、豆腐などに多く含まれます。但し、肉、卵などの動物性食品は脂質やコレステロールを多く含むため、摂り過ぎには注意が必要です。大豆などの植物性食品とバランス良く組み合わせて摂りましょう。

〜ビタミン A

【働き】皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫細胞の働きを活性化します。これによって、ウイルスや細菌の進入を防ぎます。

 ビタミン A には動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれ、体内でビタミン A に変わるカロテンがあります。

【多く含む食品】レチノールはレバー、うなぎ、卵、牛乳、バター、チーズなどに、カロテンは、小松菜、ほうれん草、つるむらさき、ブロッコリー、人参、春菊、かぼちゃ、菜の花などの緑黄色野菜や海苔に多く含まれます。

【効率の良い摂り方】脂質に溶けやすい脂溶性ビタミンであるため、炒め物など油を使った調理法にすると、体内への吸収が良くなります。また、加熱にも強く、カロテンは加熱した方が吸収率も上がります。

〜ビタミン C

【働き】体内に入った細菌やウイルスの力を弱め、細胞への進入を防いで、免疫機能を助けます。

【多く含む食品】いちご、パパイヤ、キウイ、みかん、ネーブルオレンジ、甘柿などの果物やブロッコリー、カリフラワー、ゴーヤ、菜の花などの野菜、じゃがいも、サツマイモなどのいも類に多く含まれます。

【効率の良い摂り方】加熱、特に茹でたり煮たりすることで失われやすいので、生食や炒め物にすると損失が少なくてすみます。野菜の茹で汁や煮汁にはビタミン C が溶け出しているので、スープや鍋物にすると効率良く摂れます。

〜ビタミン E

【働き】白血球やリンパ球の働きを良くし、免疫力を高めます。また、血行を良くし、冷え性を防ぐ働きもあります。

【多く含む食品】かぼちゃ、モロヘイヤなどの野菜、アボガド、アーモンド、ピーナッツなどの種実類、抹茶、コーン油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油などの植物油などに多く含まれます。

【効率の良い摂り方】ビタミン E は酸化しやすく、熱に弱いので、生食が適しています。サラダに植物油を含むドレッシングやマヨネーズをかけて食べるのが効率良い摂り方です。

 

かぜ予防の栄養機能性成分

・カテキン (抗菌作用。お茶、赤ワイン、りんご、桃、梨、カカオ豆などに含まれる。)

・硫化アリル (免疫力強化。玉葱、ねぎ、にんにく、ニラなどに含まれる。)

・β‐グルカン (免疫機能活性化。しめじ、舞茸、アガリクスなどに含まれる。)

 

体を温める食品、冷やす食品

食品には、血行を良くし、体を温めてくれるもの、体を冷やし、涼しくしてくれるものがあります。かぜ予防のために、冷え症の方は特に体を温めてくれる食品を中心に摂り、体を冷やす食品を使用する際には、体を温める食品と組み合わせたり、加熱調理するなどして普段の食事に上手に取り入れましょう。

体を温める食品

ニラ、ねぎ、にんにく、ピーマン、生姜、かぶ、しそ、パセリ、かぼちゃ、桃、あんず、栗、黒砂糖、酢、とうがらし、こしょう、シナモン、ナツメグ、玄米、もち米、くるみ等     

体を冷やす食品

トマト、ナス、きゅうり、レタス、白菜、大根、ごぼう、スイカ、梨、柿、キウイ、白砂糖、塩、しょうゆ、バター、小麦、

寒い季節にはやっぱり鍋ものがいいですね。楽しく食べることは、消化液の分泌を促し、栄養の吸収を良くします。家族みんなで鍋を囲み、楽しく会話しながら、心も体も温めてみてはどうでしょうか。

 

まとめ

食事は、丈夫な体づくりにおいて欠かせないことです。ひとつの食品で、必要な栄養素をすべて含むものはありません。それゆえ、できるだけ多くの食品を少しずつ食べることで栄養バランスを整えることが大切です。かぜやインフルエンザが流行するこの時期、ウイルスに対する抵抗力や免疫力を付けるために、普段の食事を見直してみませんか。

かぜに負けない丈夫な体で、寒い季節を乗り切りましょう!!