ME&YOU 7月号より

アンチエイジング雑感

特定・特別医療法人福島厚生会 
福島第一病院
心臓血管外科顧問
中島 伸之


ホリスティカかまたを見学して
 初めて福島第一病院に星野理事長をお訪ねした折に開業したばかりの“ホリスティカかまた”を案内していただいて、新しい測定装置と運動施設を組み合わせた“アンチエイジング”というテーマの医療についてお話を拝聴し共感すること多々でした。そこでアンチエイジングということについて私の考えていることを少し述べてみましょう。

古来からあった考え
  “アンチエイジング”という考えは古くから存在していた筈です。とくに秦の始皇帝の話が有名ですが、時の権力者たちが何時までも若く長生きをしたいという願望で不老長寿の薬を求めたお話はよく知られています。人は年をとっていきますが、実際の年齢には二種類あります。ひとつは暦の年齢であり、他の一つは生物的な年齢です。世の中には金持ちや貧乏な人、権力を持っている人と普通の人などさまざまの人たちが混じりあって生きていて甚だしく不平等ですが、ただ一つ全て平等なものがあります。それはだれでも同じように一年に一つずつ年をとっていく、即ち暦年齢です。それに対して生物的年齢はいわば個人的な年齢で、個々の人の考え方や生活への対処の仕方などで修飾が可能です、即ち老化を遅らせることできる。これが“アンチエイジング”の捉えかたでしょう。

メタボリックシンドロームも
  最近“メタボリックシンドローム”という、いわば身体の不均衡な状態を表す言葉が大きな話題をよんでいますが、これもアンチエイジングという観点から捉えることが可能です。具体的にそれではどういうことかというと、@自分の身体の中に異常なところはないだろうか、A自分の生物的年齢はどの辺りにあるのだろうか、それを客観的に知りたい、Bそして少しでも老化を防いで身体を、これはもちろん頭脳を含めてですが、良好な状態に維持する、という三点に整理して考えることが出来ます。

老化の評価方法
  第1点の身体の異常を知るということは比較的に簡単でどこの施設でも行っています。第2点の自分の生物的年齢がどの辺りにあるか、その状態を客観的に把握することは新しい分野です。身体をパーツの総合体と捉えて、それぞれのパーツの加齢状態を評価することが必要です。パーツはそれぞれの機能を有しているわけですから、評価方法はいくつかの種類の測定方法を組み合わせることになります。そして第3点の老化をできるだけ防ぐということが一番大切でかつ最終目標でしょう。

まとめ
 しかし実際には老化を防ぐことはできません。老化へ進む傾斜の角度をいかに緩くするかというふうに考えたい。そのために一番大切なことは、適切な量の食事を摂取することと、食べ過ぎないこと、そして摂取したカロリーを充分に燃焼できる運動量の組み合わせです。動物としての現代人に一番欠けているのは、運動するという本能的にもっている機能を充分に使わないことです。自身の生物的年齢を知ること、そしてそれにマッチした運動療法との組み合わせが、これらがこれからの高齢化社会に対処するための大切な新しい展開になることは間違いないでしょう。