ME&YOU12月号より

関節リウマチのリハビリテーション(1)

リハビリの基本について 関節は動かさないと固まります

特定・特別医療法人福島厚生会
  福島第一病院  院長
千葉 勝実


痛い関節を冷やすのが良いのか、暖めるのが良いのか。痛い関節を動かしたほうがいいのか、安静がいいのか。枕はどのぐらいの高さが良いのか、など患者様によく質問される項目があります。今回はそれら質問に答えたいと思います。

痛い関節は温めるの?
急性期(赤みがあり、局所に熱があり、腫れているの関節に対しては冷やすと効果的です。局所を冷やすと神経が麻酔され疼痛が軽減されます。また炎症で拡張した血管が収縮し炎症の悪循環を断ってくれます。時間がたつと今度は血行が良くなり疼痛物質を除去してくれます。 急性期が過ぎ局所に発赤と熱がなくなった慢性期の関節は暖めるのが原則です。本人が冷やしたほうが気持ちが良い場合はそれで結構です。暖めることにより血行が良くなり疼痛が軽減します。

動かさない関節は固まる?
脳梗塞の起る原因については近年沢山の研究があります。脳梗塞は前項にも述べたように、脳や脳に達する血管の血管障害即ち動脈硬化症によって起きます。人間は血管と共に老いると言われます。従って加齢によって動脈硬化症は進行しますが、更にその進行を早めるものとして、成人病又は生活習慣病、最近ではメタボリックシンドロームによるものであると話題になっております。こうした提唱はそれぞれ共通したもので、高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙などです。これらは老化や重い疾病の原因となる危険因子です。脳梗塞はこれらの危険因子が促進因子となって発症します。中でも高脂血症については、狭心症や心筋梗塞の発症のみならず、脳梗塞の発症の大きな原因になると言われます。

筋肉が弱くなるので痛くても動かしたほうが良い?
確かに動かさないと筋肉はやせてきます。それを不動性の萎縮と言います。従って動かしたほうがいい事になりますが、問題は関節に水が溜まったり、痛みが継続するとそれだけで著しい筋肉の萎縮が生じます。結局は痛いときは関節を休ませ、痛みの出ない範囲で動かすことが肝要です。

筋肉のコリをほぐしたい
関節が痛いと周囲の筋肉にコリが出ます。関節を自然に動かさなくしているのでしょう。関節痛は筋の過緊張を引き起こしコリとなって現れます。コリがあると関節はさらに痛くなり悪循環となります。悪循環を改善するためには筋のコリを減少させることが必要です。

深呼吸しましょう
薬を使わないで筋肉をゆるくする方法には次のものがあります。1つは深呼吸です。深呼吸をすると空気を吐き出したあと筋の弛緩(ゆるくなる)が起こります。次に脳神経を使うことです。脳神経を使うといっても緊張するのは逆効果です。楽しいことに脳神経を使いましょう。たとえば、落語・漫才を聞く、お孫さんとの会話や趣味を楽しむなどです。さらに凝っている筋肉を静かにストレッチする方法もあります。関節周辺の筋肉を静かに伸ばします。筋肉に細かな振動(バイブレーション)を与えても筋肉は緊張が取れます。また、凝っている筋肉を心臓の鼓動に合わせ静かに叩いてみましょう。皮膚の摩擦も有効です。

楽しいことをしましょう
痛み止めを使わないで痛みを和らげる方法はあるのでしょうか。先ず楽しいことをしましょう。楽しいことをすると痛みは和らぎます。好きなことをやっているときは脳内に鎮痛物質が出ることが分っていますし。次に皮膚を刺激する方法があります。刺激は温かい、冷たい、軽い痛み、手指にて触れるなどがあります。ここで注意しなければならないことは熱い、締め付けるなどの刺激は疼痛を悪化させます。リハビリの基本を知って快適な生活を送りましょう。