ME&YOU5月号より

リハビリテーションの基礎

幅広い領域での”全人間的復権” 「痛みを我慢」は過去のイメージ


 
特定・特別医療法人福島厚生会 福島第一病院
リハビリテーション技術科科長 五百川 和明

リハビリとは?

リハビリテーションという言葉は広く知られるようになってきましたが、リハビリと聞いて皆さんは何をイメージするでしょうか。「リハビリは痛いことをする」、「辛いことを我慢すること」、「からだの機能をよくすること」など、幾つか頭に浮かぶことでしょう。実は、歴史を遡れば、リハビリは中世ヨーロッパにおいて「身分・地位の回復」「名誉・権利の回復」の意味で使われていました。日本では第2次世界大戦以降になって、広く使用されるようになりましたが、リハビリは単に「からだの機能をよくすること」のみを表すのではなく、病気やけが等で生じた障害と共に、再び人間としてふさわしい状態にするという広い意味で、「全人間的復権」と解釈されております。つまり、たとえ重い障害を受けようとも、その方の叶えたい目標に向けて、身体や心の面への支援、更には社会で生きるために必要な能力の習得や環境面の整備などを行い、再びその方にとって適した・ふさわしい社会生活が営めるようにしていきます。この過程をリハビリテーションと言います。

リハビリはどこで行われているの?

リハビリは病院などの医療機関や、介護老人保健施設などで行われていることが多いのですが、職業訓練校や更正相談所での職業に関するリハビリ、養護学校における教育的なリハビリ、行政機関での社会的なリハビリと、その領域は幅広くあります。

リハビリに関わる職種は?

リハビリは医療においては医師の指示に基づき行われます。リハビリの専門職としては、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・義肢装具士等が挙げられますが、各職種がチームとして機能し、各々の専門性を活かして患者さんの目標に関わることになります。

リハビリは痛い?

痛いことをするのがリハビリで、患者さんはその痛みを必死にこらえなければ良くならないといったことが、まだリハビリのイメージとして根強くあるようです。一昔前は病気やけがを起こした後、各々の症状が落ち着いてからリハビリが開始されていました。脳卒中になって3ヶ月してからリハビリが始まるといったことが珍しくなかったのです。ですから、そのときは既に体の各関節は硬くなり、運動するには当然痛みが伴っていました。しかし、現在では病気やけがを起こした直後からリハビリを始めることが非常に効果的であることがわかっております。脳卒中でも発症直後からリハビリを始めることが常識となってきました。けがや手術の後は、やはり痛みが強く運動に抵抗があることが多いのですが、その時はできるだけ痛みを増強させない運動を行います。痛みの種類は色々とありますが、痛みを我慢することがリハビリではありません。

リハビリに関する相談場所は?

病院や施設、各地域の保健福祉事務所や在宅支援センターなどでリハビリの相談を受けることができます。現在福島県は、各地域におけるリハビリを推進するために、県内の各方部に「地域リハビリテーション広域支援センター」を指定しておりますが、今年度から新たに「地域リハビリテーション相談センター」を指定し、リハビリに関する相談を広く受けることができる体制をとりました。どうぞご活用下さい。