ME&YOU3月号より

関節痛は身体の叫び

痛みの原因はさまざま・・・時に重大な病の存在を教えています


 
特定・特別医療法人福島厚生会 福島第一病院
副院長・整形外科部長 千葉 勝実

節々が痛い

節々(関節)が痛くなることは非常に多くの方が経験されています。その原因も様々であります。代表的疾患は関節リウマチと変形性関節症が知られています。これら2つの疾患はさまざまな機会や書物でご存知と思いますので今回はその周辺に横たわる疾患について述べます。

膠原病かな?

関節リウマチを含めた膠原病は関節が痛くなる病気の代表です。関節リウマチ以外の膠原病の場合は全身症状を伴い時に生命に関わることがあります。口が渇く,眼が乾くなどの症状は無いでしょうか。手指がソーセージの様ではありませんか。手指に潰瘍は有りませんか。動悸・息切れは有りませんか。硬いものが飲み込めますか、指は短くなってきませんか、手足の色が悪くないですか。その様な症状を伴う場合膠原病かもしれません。

おしっこは普通ですか?

尿道炎に伴う関節炎にライター病があります。皮膚・粘膜・関節・骨髄にも炎症が生じます。尿道の炎症が契機となって免疫異常が生じています。尿道炎を治療することにより改善します。

皮膚はきれいですか?

皮膚病に関節炎を伴うこともしばしばみられます。その代表は乾癬・掌蹠膿庖症です。両手のひら、足底に湿疹は無いでしょうか。肘、膝の伸側に湿疹は無いでしょうか。鎖骨が異常に腫れていませんか。肋骨が痛く有りませんか。また口内炎や会陰部潰瘍を繰り返す場合ベーチェット病に伴う関節炎かもしれません。

結核かな?

結核に伴う関節炎はポンセ病といわれています。結核の治療により関節炎も改善します。また結核でなくとも扁桃腺炎や虫歯・肺炎など上・下気道の炎症に関節炎が伴う場合があります。

腸の調子はいかがですか?

潰瘍性大腸炎、クローン病、などの腸炎に関節炎が生じる場合があります。腸炎の治療が優先されます。腸炎の改善と共に関節の症状が改善します。また腸の手術後に関節炎を生ずる場合があります。

治療しても節々の痛みがとれない

悪性腫瘍が隠れていることがあります。大腸癌などに関連する場合が時に見られます。まれでありますが骨髄やリンパの悪性腫瘍のこともあります。手指は浮腫または固く有りませんか。筋肉が弱くなっていませんか。貧血はありませんか。リウマチと間違われていませんか。 冬は関節が危ない  これから冬になると乾燥が激しくなります。自然な乾燥のほか、暖房、電気毛布などによりからだから水分が不足すると関節炎が生じる場合があります。乾燥により当然血液はどろどろになり脳梗塞・心筋梗塞の危険は高まりますが、関節炎の危険も高まります。皮膚は乾燥していませんか。また冬は何かと美食になりがちです。痛風などの発症にも注意しましょう。また体重の増加は関節痛を悪化します。

薬の副作用では?

投薬されている薬剤による関節痛があります。パーキンソン治療薬、喘息治療薬、高血圧治療薬、高脂血症治療薬、抗不整脈薬、胃潰瘍治療薬、脂溶性ビタミン、痛風治療薬、その他多くの薬剤に関節痛の副作用があります。慢性疾患を有し投薬を受けている方は関節痛が生じたら先ず副作用を考え主治医の先生に尋ねてみましょう。 節々の痛みは身体の悲鳴  このように、関節が痛い病気や病態の原因はさまざまでありますが、関節が痛い場合、身体が何らかのメッセージを発していると考えてよいでしょう。時に重大な疾病の存在を教えています。