ME&YOU10月号 特集・健康より

更年期障害について(その1)

うつ気分、発汗、ほてり、めまい…実に多彩な症状
女性同様、男性で発症する人も

特定・特別医療法人福島厚生会 福島第一病院 院長
浅野 桂太郎

更年期とはいつから始まりいつまで続くのでしょうか?
女性の一生は卵巣の働きにより支配されていると言っても過言ではありません。卵巣の機能は35歳ぐらいから急速に低下し卵巣から分泌されるエステローゲンというホルモンの分泌量も一気に減少し、やがて閉経を迎えます。更年期とはこの閉経をはさみ、10年から15年の間を言います。日本人の閉経年齢は50歳前後です。ただ最近は40歳前半の早発閉経の方もいて30歳代で更年期の症状の出る人もいます。この背景には不規則な生活、夜型の生活、食生活の変化、ストレスなど様々な生活環境因子が働いているのではないかと言われています。

更年期障害とは?
更年期には女性の性機能の低下で沢山の症状が出ますが、この症状が全て更年期障害ではありません。症状が日常生活に支障をきたす程強くなった時に更年期障害と呼ぶべきでしょう。

実際にはどんな症状で受診するのでしょうか?
更年期の症状は実に多彩で人により程度も様々ですが、更年期外来を受診する人の訴えで多いのは、発汗、ほてり、眠りが浅い、頭痛、肩こり、うつ気分、動悸、被れやすい、めまい、冷え等々です。こうした自律神経症状や精神症状の他に、運動器症状、末梢神経症状、消化器症状、泌尿器症状、皮膚症状など様々です。更年期障害で医療機関を訪れる人は更年期の人の二人に一人と言うデータもあります。こうした診療を必要とする人の他、医療機関に行く程でないという人は10人中9人という調査もあります。殆ど症状のない人も勿論おります。

男性の更年期とは?
男性には女性のような閉経といったはっきりした体の変化はありませんが、精巣から分泌される男性ホルモンが年齢と共に低下して男性にも女性とよく似た症状が起き、男性の更年期と称されます。女性のようにはっきりした診断基準はありませんが。落胆、抑うつ、いらだち、不安等の精神症状が多いようです。その他に関節筋肉の症状、発汗、ほてり、不眠、集中力の低下などの身体症状、性欲の低下、勃起障害、射精感の減退などの症状が起きます。

症状の出方は人によって異なります
更年期の症状が起る要因は、男性も女性もホルモンの減少によるだけではありません。丁度この時期は中高年であり、加齢による体力の低下と共に、高血圧症、糖尿病と言った生活習慣病がこの頃より多くなり、更に仕事のストレス、家庭における子供の問題、夫婦間の問題、定年退職等による個人環境の変化が影響します。又、各個人の性格やストレスに対する感受性によっても症状の出方は様々です。次回は更年期の症状の診断と対策などについて述べてみます