ME&YOU7月号より

冷え性(その2)

いろいろな原因から発症 早期診断、早発治療が重要です。

特定・特別医療法人福島厚生会 理事長
社会福祉法人慈仁会 理事長
福島県立医科大学名誉教授
星野 俊一

日常生活のなかで経験する体調の異常には前号で述べた「冷え」と逆に顔や頭に熱感を感じる「ほてり」もあります。実際熱を計ってみても平熱であることがあります。これらは自律神経失調症の症状のひとつです。

自律神経失調症ってどんなもの?
自律神経には交感神経と副交感神経があります。それらはお互いにバランスをとって身体の調節をしていますが、このバランスがくずれると失調症の症状がでてきます。いくら検査しても悪いところはなく、人にも説明しにくい状況です。皮膚の血管が収縮したり、拡張することによって冷えやほてりの症状が出たりします。また運動もしてないのに急にドキドキと動悸がしたり、胸が苦しくなったりする症状も出ますが、検査しても心臓は悪いところはなく、原因は交感神経の緊張のためということがよくあります。

自律神経失調症の治療は?
自律神経失調症では、まず自分自身が状態を自覚し、医師とよく話し合い積極的に治療に参加するのが重要です。今までのライフスタイルの見直しや気分転換が必要です。

腰部脊柱管狭窄ではどんな症状がでるの?
神経が圧迫されるとしびれ、ほてり、冷えなどの症状があらわれます。また一度に長い距離を歩けなくなってきます(間歇性跛行)。この場合は前にしゃがみ込むと楽になるのが特長です。

脊柱管狭窄による症状の治療は?
神経圧迫の状態には2つのタイプがあります。そのひとつのタイプ(神経根型)は自然経過がよいので、薬物治療をしながら経過をみます。もうひとつのタイプ(馬尾型)では放っておくと進行して、残尿感や尿がでなくなったり、便秘など膀胱や直腸にも影響を及ぼすこともあります。

血管系の障害による症状ではどんな症状がでるの?
頻度的にみると圧倒的に閉塞性動脈硬化症によるものが多いです。足の循環の悪化を示す症状は足の冷感やしびれ感から、くずれたり(潰瘍)、腐る(壊死)まであります。足の血管系の病気は活動力を失い、生命の予後にも直接影響してきます。「冷え」は最初の症状ですので、注意しなければなりません。

閉塞性動脈硬化症の診断は?
血液の流れが悪くなるので、脈を触ってみるのがまず第一歩です。脈が触れにくいか、弱いときには脈派計、超音波ドプラー法などと検査を進めます。X線CTやMRIなども有力な検査機器です。

閉塞性動脈硬化症の治療は?
治療法の選択は検査データに基いて、患者さんと話し合い最適の治療法を選択します。まず足を清潔にして、保温し、歩く運動療法が基本です。薬物療法を加えることによりかなりの効果があります。手術が必要となっても、まず侵襲の少ない血管内治療を選択します。カテーテルやステントを用いて動脈の内腔を拡張する方法で、創は最小限で、短期間の入院ですみます。血管内治療の限界を超えているケースでは人工血管や自分の足の静脈を使ってバイパス手術となります。

まとめ
冷えやほてりにもこのようないろんな原因があります。進行すると日常生活でも活力を失い、生命予後も悪くなります。最近では糖尿病が増えていますが、糖尿病性神経障害でもしびれや冷感を感じます。いずれにしても冷えなどの症状がでたら早期診断、早発治療が重要です。