ME&YOU6月号初夏の健康より

冷え性(その1)

血液の流れの悪さなど大きく分けて3つの原因

特定・特別医療法人福島厚生会 理事長
社会福祉法人慈仁会 理事長
福島県立医科大学名誉教授
星野 俊一


辺りがそんなに寒くないのに「手足が冷たい」という方や「夜寝るときに靴下を履かないと冷たくて眠れない」とかおっしゃる方は冷え性といってよいでしょう。

どんな原因で冷え性が起こるのでしょうか?
冷え性の原因としては大きく分けて3つの原因があります。血液の流れが悪いもの、神経の圧迫によるもの、そして自律神経のバランスがくずれたものなどが挙げられます。

どうして血液の流れが悪いと冷え症になるのでしょう?
血液は全身に酸素や栄養を供給し、炭酸ガスや老廃物を運搬する働きと同時に、身体の深部の体温に温められた血液によって身体を暖める働きもしています。血液の流れるルート(動脈)に邪魔ものがあれば当然流れが悪くなり、手足は冷えてきます。ひとつのタイプは生活習慣病で動脈硬化がすすみ、動脈が狭くなったりあるいはつまってしまう(閉塞性動脈硬化症)やバージャー病があります。ですから冷え性は手足の動脈硬化や血管病変の初発症状ともいえます。もうひとつのタイプはレイノー病あるいはレイノー症候群と呼ばれる病気です。レイノー病は若年の女性に多くみられます。寒いシーズンに入ると、冷たい水や空気に触れただけで両手が冷たく、皮膚が真っ白になるのが特長です。またレイノー症候群は長い間、振動工具やチェーンソーを使った人にみられます。症状はレイノー病と同様です。両タイプはともに寒冷などの刺激に動脈が過敏に反応して収縮して細くなってしまうのが原因です。

どうして神経圧迫が冷え性の原因になるのでしょう?
脊骨や軟部組織が変形して腰部の脊柱管が狭くなって神経を圧迫すると冷感などの症状があらわれます。臀部から足のうら側にかけてしびれ、脱力感を伴い、冷えやほてり、更には頻尿や便秘を起こすこともあります。

自律神経って冷え性と関係あるの?
自律神経は自分の意志とは無関係に、体の内部からの情報や外部からの刺激に対して自動的に反応する神経です。交感神経が緊張すると、脈拍は速くなり動悸がしますし、冷えやのぼせなどの症状も起こってきます。精神的な影響で交感神経が緊張すると急に血圧が上る場合もあります。

まとめ
冷え性は放っておいてもかまわないものから、早目に手当てした方がよいものまでさまざまです。次号では検査や治療法について解説します。