ME&YOU6月号より

C型肝炎

肝硬変や肝がんの恐れ 慢性化を防ぐことが大切です

特定・特別医療法人福島厚生会 福島第一病院 
 院長 浅野 桂太郎


肝炎はどんな原因で起るか?
肝炎には肝炎ウィルスが肝臓に感染して起るウィルス肝炎、くすりの副作用で起る薬剤性肝炎、お酒の飲みすぎで起るアルコール性肝炎、膠原病の一種の自己免疫性肝炎、最近注目されている非アルコール性脂肪性肝炎などがあります。

ウィルス肝炎とは?
ウィルス肝炎は、肝炎ウィルスが肝臓(肝細胞)だけに入り肝臓で増殖して起る肝炎です。ウィルス肝炎にはA型、B型、C型、D型、E型などがあり、日本のウィルス肝炎はA、B、Cの3つの型で殆どを占めます。

C型肝炎の感染経路
A型、E型肝炎は、なま水やなま物により経口感染しますが、B型、C型、D型肝炎は血液製剤を介して感染します。従って昔は輸血による感染が多かったのですが、B型やC型肝炎ウィルスのスクリーニングが行われ、陽性の血液は使用されませんので輸血後肝炎は殆ど発生しておりません。しかし血液を扱う機会の多い医療現場で、C型肝炎の患者さんに使った注射針を誤って刺した場合、頻度してはまれですがC型肝炎になることがあります。又覚醒剤を仲間同士でまわし打ちして起る感染があり、覚醒剤常習者の約50%にC型肝炎がみられます。その他出血を伴う民間療法(鍼治療など)、入墨、性行行為による感染があります。B型肝炎は性行為により感染しやすいですが、C型肝炎はまれです。しかし無軌道な性行為は慎むべきです。

C型肝炎の症状と経過
C型肝炎は輸血や針事故などで感染してから約40日前後で発病します。しかしA型、B型肝炎に比し症状が乏しいのが特徴です。C型急性肝炎の症状は全身のだるさや食欲低下、黄疸などですが、自覚症状の訴えない人も約40%おります。初期には代表的肝機能GOT・GPTが500以上の高値を示します。このC型急性肝炎のうち75%の人が慢性肝炎に移行します。慢性肝炎の患者さんは自覚症状がなく、肝機能に異常がありながら元気で働いています。しかし肝硬変に近づいた重いタイプの人は、すぐ疲れやすい、食欲がないなどの症状が出ます。C型慢性肝炎は、ウィルスが体内から消えて自然治癒することはまれです。更に治療をしないで経過しますと、肝硬変や肝癌に移行しやすいのもC型肝炎の特徴です。

C型肝炎の治療
C型急性肝炎では、安静と食事療法が基本ですが、慢性化することが大変問題となりますので、慢性肝炎にすすむ可能性のある時にはインタフェロンを早めに使用する事により慢性化を防ぐことが出来ます。慢性肝炎の治療は、まず病気の原因であるウィルスの増殖を抑える抗ウィルス薬(インタフェロン)、肝臓の細胞がこわれるのを減らし炎症を軽くする薬(強力ミノファーゲンCの注射など)、補助的な効果を期待する一般肝臓用薬があります。C型慢性肝炎の治療は長くかかりますので、主治医とよく相談して適切な治療を選ぶことが大切です。