ME&YOU4月号より

ウォーキングの効能

心臓や血管を丈夫にして生活習慣病の予防になります

特別医療法人 福島厚生会 厚生会クリニック 
運動指導員 小泉 幸雄


 欧米で健康保持・増進のため歩くことをエクササイズウォーキングと呼んでいることから、日本では、ただ歩くことと区別して、健康保持・増進のために歩くことを「ウォーキング」と呼んでいます。健康保持・増進は、万人の願いです。歩くことによってそれがかなえられるならそんな素晴らしいことはありません。心身に障害がなければ誰でも歩くことはできます。誰でも毎日歩いているわけですから、それを健康保持・増進のためのウォーキングに変えていけばいいわけです。歩くことの質と量を考えて目的を持ったものにすればいいわけです。

 ウォーキングは、呼吸をしながら行う運動です。全身に酸素を供給しながら行う有酸素性運動です。この運動を続けることによって次のような効果が期待されます。
1.心臓が強くなる。心臓の筋肉が刺激の連続で必要な血液を拍出させるため、一回の拍出量が増え、安静時や同じ運動時の心拍数が減る。
2.肺の働きがよくなる。全身に酸素を供給し、ウォーキングにより体内でそれが消費されるため換気量が増えて肺の働きが活発になる。
3.血管を丈夫にする。酸素供給は血液によって行われるので血液の量が多くなり、毛細血管が増え、血管が太くなる。
4.筋力が向上する。筋肉に負荷がかかるため筋肉が太くなり、体内で多くの脂肪が消費される。そのため足やお尻の筋肉が引き締まって強くなる。
5.疲れにくい体をつくる。心臓や肺の働きがよくなると、多くの酸素を取り入れ、疲労物質を酸化分解する能力が高まり、疲れにくくする。ミオグロビン(*)の量も増加する。
6.脳の働きが活発になる。大脳に刺激が加わるので中枢神経系からの入力量が増え、脳の働きが高まる。脳の血流もよくなる。
7.ストレスの解消になる。脳の血流がよくなると脳に酸素の供給が増えて脳の疲れを取る。

 そのほか筋肉の量が増すため、脂肪の消費が増し肥満の解消につながります。全身に負荷がかかるため骨粗しょう症の予防や肥満の解消、血液性状の改善、ひいては生活習慣病や心疾患の危険因子を少なくすることにもつながります。 ウォーキングの効果は大きいですが、危険なことがないわけではありません。準備運動をしっかりして、履物、服装について注意し、その時々の体調を考慮しながら実施することが大切です。季節もよくなり、歩くには最適な環境になります。気の合った仲間と長く継続できるウォーキングを楽しみたいものでです。

* ミオグロビン:酸素分子を代謝に必要なときまで貯蔵する色素タンパク質

* 参考文献:健康運動実践指導者用テキストー健康運動指導の手引きー(改訂第2版) (財)健康・体力づくり事業財団発行