ME&YOU診察室のコーナー3月号より

弾力性ストッキングの効果

専門医に相談し正しい着用を 静脈の病気の症状を軽減させます

特定・特別医療法人福島厚生会  福島第一病院
 看護部長 根本 キミイ


どうして弾力性ストッキングを着用するの?

 動脈は、心臓のポンプ作用によって血液を体の隅々まで運び、静脈は、血液を心臓へと輸送する役割を持っています。足の筋肉は収縮と弛緩を繰り返しながら血管を圧迫して血液を送りだしています。これを『筋ポンプ作用』と言います。血液が心臓に戻るにはふくらはぎの筋ポンプ作用が非常に重要になります。
  ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、歩いたり、足踏みしたり足の運動もとても大切になります。弾力性ストッキングの着用は、筋肉が圧迫され、血管を圧縮する力が大きくなり筋ポンプ作用をが増強します。さらに、筋ポンプ作用がいっそう効率的に働くようになると、静脈の血液の流れがスムーズになります。静脈の流れが良くなると、浮腫が軽減して皮膚の栄養障害も少なくすることができます。このように弾力性ストッキングは、症状を軽減させる効果があります。

静脈の病気にはどんなものがあるか?

 静脈の主な病気には、下肢静脈瘤や静脈血栓症があります。女性に多い下肢静脈瘤は、小さいものも含めると15歳以上の人の43%にみられ、大きい静脈瘤は14%の人にみられるという調査結果から非常に頻度の高い病気です。下肢に静脈瘤ができて、スカートがはけなくなったと悩んでいる人や、静脈瘤は出来ていないが足が疲れやすく、むくんでしまう人は数多くいます。
 下肢静脈瘤は、妊娠をきっかけに出来やすいことや、加齢とともに頻度が上昇してきます。また、母親が持っていると自分も出来やすいことや、立ち仕事の人に頻度が高いなど女性に多く発症します。 静脈血栓症は、飛行機に長時間乗っていて具合が悪くなったり、中越地震などで車中に避難していた人たちに注意を呼びかけていたことなどが記憶に新しいかと思います。 これらのことを予防したり、病気の進行を防いだりするためにも、日常生活の過ごし方がとても大切になってきます。

日常生活の過ごし方のポイントは?

1.長時間の立位を避ける・下肢の挙上(5〜10分位下肢を挙上させる。足踏みしたり少しでも歩き回ることが必要で同じ姿勢を避ける)
2.夜、寝る時には足を高くする(膝の下にも軽く枕を入れて15cmくらい上げる)
3.弾力性ストッキング使用する(朝起きた時から入浴又は就寝時まで
4.運動(積極的に歩行をする。腹圧が強くかかる運動は避ける)
5.ガードル・ゴムなどで部分的に締め付けない(障害があるほうの足)
6.正座の禁止(長時間正座することは避けて腰を浮かすようにする)
7.物にぶつけたりボリボリ掻かない(傷つけて潰瘍の原因になる)
8.薬の規則正しい服用・納豆の禁止(ワーファリンを内服中の人)
 弾力性ストッキングは、正しく選択して正しく着用することが大切です。市販でも購入できますが、使用する目的で、タイプと圧迫圧が違うので、足がだるい、足がむくむ、痛い、皮膚の色が変わるなどの症状がある場合は、専門医に相談することをお勧めします。