ME&YOU診察室のコーナー1月号より

足の腫脹(はれやむくみ)について

症状が軽いと治療もスムーズ 気づいたら放置せず受診を

特定・特別医療法人福島厚生会  福島第一病院
 循環器科部長兼透析室部長 小川 智弘


足は健康のバロメーターともいわれますが、その足がむくむ際にはいったいどのような病気があり、どのように対処すべきかといったことが、疑問に思われることが少なくありません。

全身的なむくみを伴うもの

足のむくみの他に顔や手に認められる場合は全身性のむくみであり、この場合は全身的な病気を考える必要があります。具体的には心臓病、腎臓病、悪性腫瘍などによる低栄養状態(血液中たんぱく質の低下)、内分泌ホルモン異常が挙げられます。心臓や腎臓が悪くなると体内に水分が貯留することで、体にむくみが生じます。低栄養状態や内分泌ホルモン異常では血液中たんぱく質などの成分の不足や血液電解質のバランスが崩れることでも体にむくみが生じるようになります。また薬物や食物によるアレルギーにも下肢の腫脹を伴うものがあります。

足だけのむくみ

 全身的な病気が足だけに現れることもありますが、一般的に局所的な病気が原因となります。局所的なむくみが現れる病気としては、静脈の血管が閉塞し、足に静脈血が停滞する病気である静脈血栓症、下肢の静脈血の逆流よる下肢静脈瘤、リンパ管が閉塞してリンパ液が停滞するリンパ浮腫、血管やリンパ管の炎症、外傷による下肢腫脹、細菌感染による下肢の強い疼痛、赤みを伴う下肢腫脹、その他、原因不明などが考えられます。

下肢のむくみへの対応

 全身的なむくみを伴う下肢腫脹に関しては、全身的疾患で通院している、またはかかりつけの医療機関を受診され、その原因に応じた治療をうけることが必要です。これを怠ると、命に危険をもたらすことも考えられます。 局所的に下肢のむくみが認められる場合は、まずご自身で足を見てください。見るポイントとしては、

1.両側のむくみかどうか、
2.足のむくみは急性か慢性か、
3.赤く腫れているか
4.痛みは強いか、
5.発疹や下肢の色素沈着があるかどうか、
6.むこうずねを指で押したとき、指の跡が残るかどうか、
7.むくみは下腿が中心か、大腿が中心か、
8.足に外傷やくじいた後か

といったことが挙げられます。

 足の外傷やくじいた後で痛みを伴うことがあれば、まずは整形外科を受診することを勧めます。次いで、慢性的で、むこうずねを指で押したとき、指の跡が残る場合は全身的な病気からくることが多く、内科の受診を勧めます。下肢の腫脹が片側で、外傷がない場合は、血管外科の受診を勧めます。急性で痛みを伴う場合は深部静脈血栓症、皮膚の発赤、痛みを伴う場合はリンパ管炎、血栓性静脈炎、慢性的な下肢のむくみであれば下肢静脈瘤、リンパ浮腫が強く考えられ、その場合は医療用弾力性ストッキングの着用、就寝時の下肢の挙上および血管外科もしくは外科の受診を勧めます。

最後に

 いずれの病気にも当てはまることですが、症状が軽いうちであれば、治療もスムーズに行われることが多く、その中でも重要な健康のバロメーターである下肢の腫脹は比較的、本人自身が気づきやすい症状のひとつであり、下肢の腫脹が認められるときは、放置することなく、医療機関に相談し、適切な診断のもとに治療をうけられることをお勧めいたします。