ME&YOU診察室のコーナー11月号より

抗サイトカイン療法について

一定の基準は必要ですが 即効性の効果 骨関節破壊を防止

特定・特別医療法人 福島厚生会 福島第一病院
副院長・整形外科部長 千葉 勝実


 関節リウマチが治る?

 最近アメリカでこの40年間にリウマチの発症が減少してきたと言われています。さらにその25%の方が治るといわれています。治らないまでも軽い方は50%以上になります。

症状を悪化させる犯人

 炎症を引き起こす犯人(サイトカイン)の1つにTNF-α(腫瘍壊死因子)があります。リウマチ患者の関節腫脹や疼痛、さらに朝のこわばりはこの物質と非常に関連があります。また骨を溶かす細胞の働きを助けて骨を蝕んでいきます。したがってこの物質の働きをなくせば症状は改善すると考えるのは自然のことです。このことを可能にしたのはインフリキシマブ(商品名レミケード)という薬剤です。当院でも14例の患者様に使用しました。確かに効果のある薬剤です。

真打ち登場

 昨年末より一部の病院にて使用可能になりました。現在当院でも14名経験されました。この薬剤の特徴は今までの薬剤と異なり、効果がすぐに現れ骨関節破壊を防止することです。なかには投与翌日、久しぶりに自分に戻ったようだとおっしゃる患者様がおられます。。

誰でも治療が受けられますか?

 残念ながら一定の基準を満たさないと治療は受けられません。従来の薬剤で十分な効果が認められない場合、肺に影がないこと、メソトレキサートを1週間に3錠内服可能であること、結核の既往のないことなどが必要です。また効果であること、副作用が未知の部分があり投与可能な施設が限られています。

投与法

 この薬剤は入院していただいて、点滴投与するわけですが、投与方法は初回投与後2週間後、6週間後、その後8週間後に投与し、さらに8週間後毎に継続投与します。現在当院では8人が使用継続中です。

効果と持続期間は?

  効果は関節の痛み、腫れが軽快し生活動作が楽になり、関節破壊が防止されます。しかも他の薬剤は効果発現まで時間がかかりますが本剤は即効性です。投与した次の日には多くの方の症状が改善しました。投与継続可能な方は約6−7割です。その方たちには効果が認められます。維持投与は2ヶ月に1回となりますが効果がそのまま持続している方が多い中で、効果が2ヶ月は持たない方もおられます。これからの検討課題となります。

安全ですか?

  軽微な副作用は発熱、血圧上昇、頭痛、ほてりなどです。特に注意が必要なのは結核の発症、再発です。また因果関係は明らかではありませんが、発癌性、脱髄疾患の悪化、うっ血性心疾患などがあります。 当院では6人が副作用のために中止しました。投与後早期の副作用は、発熱、震え、ほてりなどでした。後期のものは軽い肺炎・胸水貯留でした。やはり100%安全ではありませんので注意して使用する必要があります。

費用はいくらですか?

 月数万の負担が必要です。確かに高価ですが疼痛が改善した場合、必ずしも高価とは言えません。また、さまざまな免除制度がありますので詳しくは関係医療機関にご相談ください。 次々に関節リウマチに対する新薬が出てきます。治療は確実に進歩しています。疼痛から開放され、質の高い日常生活に戻れる日ももうすぐです。