ME&YOU診察室のコーナー10月号より

進歩した関節リウマチ治療

効果のある薬剤の使用で 症状の軽い方が確実に増加

特定・特別医療法人 福島厚生会 福島第一病院
副院長・整形外科部長 千葉 勝実


 この5年間リウマチ治療は確実に進歩しています。今回以前の調査や5年前の治療と比較検討してみましたのでその結果について述べたいと思います。

変わらない男女差

 10年前には男性1に対し女性は3.8人で今回の調査では男性1に対して女性3.7人でほとんど変化ありませんでした。男女差は10年経過しても変化ありませんでした。 年齢分布・罹病期間 年齢は、20歳以上40歳未満が7%、40歳以上60歳未満が38%、60歳以上80歳未満が50%で10年前と大差ありませんでした。 罹病期間も5年未満39%、5年以上10年未満18%、10年以上20年未満25%、20年以上30年未満11%、30年以上7%と10年前の調査と大差ありませんでした。

減少した消炎鎮痛剤の使用

 14年前、90%の患者様に消炎鎮痛剤が使用されていました。その当時、関節リウマチに消炎鎮痛剤を使用することは当たり前の時代でした。その頃から抗リウマチ剤としてSH剤の1つリマチルが使用可能となり抗リウマチ作用を有する薬剤はSH剤と金剤が使用できるようになりました。またメソトレキサートも使われだしリウマチ治療が進歩しました。したがって消炎鎮痛剤の使用は5年前には76%に減少、現在では61%にまで減少しました。もうすぐ二人に一人は消炎鎮痛剤を飲まなくなります。 変化した抗リウマチ剤の使用 この10年間に金剤は30%から16%に減少、SH剤も25%から10%に減少しました。一方サラゾスルファピリジンは7%から40%に増加、メソトレキサートは10%から56%に増加しました。さらに昨年暮れより抗サイトカイン療法が可能となり0.5%の方が治療を受けています。

抗リウマチ剤は多剤併用か単剤投与か

 5年前抗リウマチ剤を単剤で使用されていた方は50%でありました。現在は59%で若干増加しています。効果のある薬剤を単剤で使用する例が多くなっています。しかし単剤でコントロール困難な例は速やかに多剤併用でコントロールします。特にSH剤とメソトレキサート、サラゾスルファピリジンとメソトレキサート、金剤とメソトレキサートなどメソトレキサートとの組み合わせが多く、ある調査では前の2つで多剤併用の40%になっているようです。

リウマチが改善している

 関節リウマチの疾患活動性を知るにはCRPが便利です。5年前CRPが0.5mg/dl以下(正常値)であった方は22%でありました。現在は44%になっていました。0.5mg/dl以上1mg/dl未満の方は6%から13%になりました。したがって、ほとんどコントロールされた方と軽い人で、5年前28%でありましたが現在は57%になっています。リウマチの治療は確実に進歩しているようです。

今後5年間の予測

 罹病期間はあまり変化は無いでしょう。罹病期間のわりに症状の軽い方が多くなるでしょう。 消炎鎮痛剤の使用はさらに減少するでしょう。1日5mg以上のステロイド剤は減少し5mg以内の投与は増加すると思われます。抗リウマチ剤の単剤投与が増加しリウマチに関する薬剤の一人あたりの投与数は減少するでしょう。 リウマチ治療はこの10年、特に最近の5年間は非常に進歩しました。治療効果も上がってきています。もうすぐ関節リウマチもつらい病気でなくなるでしょう。