ME&YOU診察室のコーナー9月号より

健康食品との付き合い方(7月号の続編)

カロリー+マルチビタミン+マルチミネラル 寿命を延ばす基本の考え方

特定・特別医療法人 福島厚生会 福島第一病院
消化器科部長 柳沼 信久

 

低カロリー食は寿命を延ばす

 緑虫から哺乳類まで普通に飼育する場合を比べて、カロリーを20%〜50%減で飼育されると寿命が20%〜50%延びる事が分かっています。『栄養を充分とれば長生きする』という一見正しそうにみえる『常識』が実は間違いなのだという事が、このことから分かります。低カロリーが何故寿命を延ばすかははっきりとは分かっていませんが、最も考えられることは体を効率よく動かすことが体を長持ちさせることでしょう。人間を蒸気機関車に例えると、低カロリーで生きることは炊く石炭の量を少なくして石炭を完全燃焼させることに相当します。石炭を釜につめ込み過ぎると不完全燃焼を起こし煙路がつまったり、燃焼効率が悪くなって機械類に不具合がでたりします。人間の体でもカロリーをとり過ぎると同じ事が起こるものと考えられます。

マルチビタミンも寿命を延ばす

 30年前に中国で行われた大規模治験ではマルチビタミンを投与された群と投与されない群の比較で、明らかにビタミンを飲んだ群の寿命の延長がみられました。ビタミン、微量ミネラルなどの必須機能成分は機関車に例えると各部分の潤滑油に相当します。機械類がスムーズに動けるような状態に常に整備しておくことがその機械の寿命を延長するのは人間でも同じことでしょう。必須微量ミネラルについては土壌へのCaとMgの補充でトマトの連作障害がなくなって生きのいいトマトがどんどん取れるようになったという最近の報告もある通り、植物の健全な成育にも重要な役目を担っている事が分かってきました。

効果が実証されているサプリメント類について

 漢方薬や西洋のハーブなど経験的に効果が実証されてきた民間薬です。大規模治験なども多数使われており、医学的な効果に対する証拠も蓄積されています。残念ながら医療関係者も一般の人々もそれらについてあまり詳しく知らないのが現状です。すでに臨床試験上明らかに効果が認められて医学文献上で有効性が確認されているものを以下に挙げます。
  イチョウ葉:イチョウ葉の抽出物は毛細血管を拡張させる作用を有し、脳機能全般(集中力・記憶力など)を改善する効果が認められており、ドイツではイチョウ葉の研究が盛んでドイツの医師はアルツハイマーの初期や呆け防止にイチョウ薬のエキスを処方する事が一般的です。
  弟切草(オトギリソウ):セントジョーンズワートともいい、うつ状態に効果があるといわれています。ドイツ政府は弟切草を臨床治験の結果から有効と判定し、抗うつ薬として承認しています。
 緑茶:緑茶を多量に飲料する静岡の地方では胃癌を始めとする消化器系の癌が非常に少ないことで有名です。ネズミの実験で緑茶の粉末を摂取させると大腸癌の発症が50%も抑制されることが証明されて以来一躍注目されています。
  魚油:背の青い魚類に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)、EPAはすでに医薬品となっており、動脈硬化の治療に使われています。しかしEPAは動脈硬化以外にも関節の炎症をおさえたりする別の作用や中性脂肪値を下げてくれる作用もあります。DHAは神経細胞の正常な機能を高める作用があります。その他書ききれないくらいの様々なサプリメントがありますので好みに応じ試してみるのもいいでしょう。基本は低カロリー + マルチビタミン + マルチミネラルでそのあと他のサプリメントを試していけばいいでしょう。