ME&YOU診察室のコーナー8月号より

インフォームドコンセント

しっかりと情報提供・納得の受診。 医療機関を選択する最も重要な要件

特定・特別医療法人 福島厚生会 福島第一病院
心臓血管病センター長 緑川 博文

 

インフォームドコンセントとは?

 昨今新聞紙上で毎日のように医療事故に関する記事をご覧になっていることと思います。そしてよくインフォームドコンセントという言葉を見たり聞いたりするかと思いますが、その本来の意味をご存知でしょうか?インフォームドとは、知識のある、事情に精通したという意味であり、コンセントとは同意という意味を持ちます。そしてそれらをあわせて、「説明と同意」と一般的には訳されています。
  しかし笑い話のようですが、ある患者さんは、「電気のコンセントですか?」といわれた方がおります。つまり多くの方々はなんとなくはわかるけど、はっきり理解していないのが現実ではないでしょうか。近年の医療訴訟の大部分はインフォームドコンセントの問題で起きているといわれており、今回はこの紙面を使ってご説明したいと思います。

インフォームドコンセントの4つの原則

 インフォームドコンセントには、1)自己決定の原則、2)恩恵の原則、3)幸福追求の原則、4)公正公平の原則、の4つの原則があります。1)自己決定の原則とは、医師から与えられた複数の選択肢を比較検討し自主的に判断する権利を有し、自分が選択した検査・治療をその医師にしてもらうかどうかについて自主的に決定する権利を有するという原則です。2)恩恵の原則とは、患者さんにとって恩恵がもたらされるように医療を行う原則です。3)幸福追求の原則とは、より高いQuality of life(QOL)を求めることの原則です。4)公正公平の原則とは、周囲の状況が及ぼす影響に対して公平であることを求める原則です。

医療機関と患者さんとの良好な関係構築

 なにもインフォームドコンセントは医療訴訟のためにあるのではありません。患者さんがよりよい医療を受けるために、医療機関と良好な関係を築くための最も重要な因子と考えてください。当院では病院機能評価やISOといった公の機関から認定を受ける際にも、この点には最も重点をおいて努力してきました。具体的には、患者さんが主体的に、自主的に選択・同意・拒否ができるような対応を常に考え、患者さんが「私らしい医療」を実現できるように、積極的な情報提供を口答のみでなく、文書・図・資料などを使って納得いただくまで説明するよう努力しています。
  逆にいえば、これからの医療機関はこのような対応をしていかなければ多くの患者さんからの信頼は得られないものと思います、そして最後にこれらのことは、患者さんみなさんがもつ当然の権利ですので、医療機関を選択する最も重要な要件として考えていただければと思います。