ME&YOU診察室のコーナー5月号より

厚生会クリニックにおける運動療法の実践

体調不良だったらひかえましょう。運動は安全に行うのが一番重要

特定・特別医療法人 福島厚生会 厚生会クリニック
運動指導員 小泉 幸雄

運動はどれだけすればいいのか

 最近道路を歩いている人をよく見かけます。ウォーキングをしているのだとすぐに見分けがつく歩き方です。運動をしなければならないと考えて実行している人が多いのではないでしょうか。では、どれくらいしたらいいのでしょう。  年齢、体型、生活様式、健康状態によって異なってきます。  1989年に、当時の厚生省で設置された『健康づくりのための運動所要量策定検討会』の報告書では、健康な人の場合として、 @ 運動強度として最大酸素摂取量の40%(有効限界)から70%(安全限界)の範囲の運動負荷のかかるエアロビックな運動で A 少なくとも10分以上の継続を必要とし、 B 1日に合計20分以上、そして C 原則として毎日実施する。 ことが適切な運動の目安であると示さています。  また、健康増進のための運動は、一定強度の運動を一定期間、一定頻度で、一週間を単位として年齢、性別、就業形態などを考慮し、酸素摂取量を指標に目標値を算出する。としています。

どんな運動をすればいいか

 報告書の最大酸素摂取量は簡単には測定できないので、最高心拍数に置き換えて、最高心拍数=220−年齢で推定できることから、運動強度の目安を220−年齢の50%から75%の範囲の心拍数でエアロビックな運動をすればいいことになります。  厚生会クリニックの運動教室では、ウォーミングアップを15分、ストレッチングを20分、補助運動を20分、タオルを使った運動を20分、クーリングダウンを10分ぐらい組み合わせて週に2回行っています。  ストレッチングは静的なものを立位、座位で15種類くらい、関節の可動域を広げる目的で、補助運動は筋肉を強化する目的で行い、他に動き作りの運動を加えています。  いずれも有酸素性を意識し、呼吸をしながら体を動かす運動になるように、声を出して数を唱えるなどの工夫をしています。  そのほかボールや運動棒、自転車エルゴメーター、トレッドミルなども取り入れて変化をつける工夫もしています。

運動をする時の注意

 運動中にアキレス腱が切れたなどの話をよく聞きます。時には突然死などが起きることもあります。体に負荷をかけることになるのでいろいろな注意が必要です。 運動をしようと思ったらメディカルチェックを受けましょう。自分で健康だと思っても思わぬところに欠陥があるかもしれません。 異常がなかったら、運動する前にその日の体調を自分でチェックしましょう。胸が痛い、締め付けられる、少し動いただけで息切れがする、顔や足にむくみがある、風邪気味で頭痛や発熱がある、腹痛や下痢がある、食欲がない、二日酔いである、睡眠不足である、からだがだるい、運動前の脈拍がいつもより20拍/分以上多い、血圧がふだんより高い。  このような時は運動をひかえてください。また運動中も異常に気づいたらすぐに運動を中止する必要があります。  運動は安全に行うことが一番重要だと思います。 力も回復してきていることが分かりました。何よりも参加者が喜んでくれていることが教室継続の原動力になっています。