ME&YOU診察室のコーナー3月号より

弾力性ストッキング

足のむくみやだるさの対策 タイプを選んではきましょう

特別医療法人福島厚生会 心臓血管病センター

弾力性ストッキングコンダクター 山田 淳子

足のむくみやだるさはどうしておこるの?

 静脈は血液を心臓へと輸送する役割を持っています。足は心臓からもっとも遠くにあり、人間は立って生活しているため静脈の病気は足に最も起こりやすいといわれています。静脈の主な病気としては、最も頻度の高い下肢静脈瘤や静脈に血液の塊ができる深部静脈血栓症などがあります。その他にもじっと立っていた時や飛行機旅行などで長時間座っていた時などに足がむくんで重くだるくなった経験のある方は多いのではないでしょうか。

そんなときはどうすればよいの?

 このような静脈疾患やむくみ・だるさに対する対策として弾力性ストッキングによる圧迫療法があります。これによって不快な症状が軽減する効果があります。弾力性ストッキングの正しい使い方についてご紹介いたしましょう。

弾力性ストッキングの効用は?

 私達が歩いたり足踏みしたりすると足の筋肉は伸びたり縮んだりします。血管は筋肉が縮むたびに押されて血液がしぼられて流れ出します。これを筋ポンプ作用といいます。足の血液が重力に逆らって上昇し心臓に戻るためにはふくらはぎの筋ポンプ作用が重要で、このためふくらはぎは「第二の心臓」とよばれています。弾力性ストッキングは、この筋ポンプ作用を増強させ静脈の血液の流れをスムーズにし、むくみを軽減させる効果があります。

弾力性ストッキングの特徴は?

 普通のストッキングと違い、足首の圧迫圧が一番強く、膝・太ももと上に行くにしたがって弱くなるよう設計されて作られています。これは足の血液を心臓へと戻しやすくする工夫です。素材にはナイロンの他、合成ゴムや天然ゴムが使用されています。

どんな種類があるの?

 弾力性ストッキングには様々な種類があります。長さでは膝下までのハイソックスタイプ、太ももまでのストッキングタイプ、そしてパンティーストッキングタイプがあり、特殊なものとしてはマタニティータイプや片足用ストッキングがあります。また、つま先ありタイプのほかつま先なしタイプがあります。圧迫圧(足首まわりの圧)は約20〜50mmHgと様々で、病状によって圧迫圧を変えます。普段の洋服のサイズがMサイズなので弾力性ストッキングもMサイズでよいというわけではなく、足首とふくらはぎのまわりを計測してサイズを選びます。

注意点は?

@ 弾力性ストッキングの上端の丸まり、しわ、ずり落ちは十分な効果が得られなくなったり痛みの原因となったりしますので時々チェックしましょう。

A 伝線や破れによって圧迫圧が変化します。もちろん切ってはいけません。また、弾力性ストッキングは圧迫圧がだんだんゆるくなりますので半年を目安に交換するとよいでしょう。

B 弾力性ストッキングは原則的にはむくみが一番少ない朝はきはじめ、就寝時には脱ぎます。これは横になると静脈圧が低下し圧迫が不要となるためです。

C 足の動脈の流れが極端に悪い方は弾力性ストッキングの使用はできません。また、心臓の悪い方、足に化膿した傷がある方も医師との相談が必要です。

日常生活での注意点は?

 長時間立っていたり、じっと座っていたりすると血液が足にうっ滞してきます。足を高くして休憩をしたり、合い間に足踏みをしたりしてできるだけ同じ姿勢を避けるようにしましょう。夜寝るときには膝と足の下に枕を入れて15センチくらい足の方を上げるようにしましょう。また、足を強く締め付けるとその下が余計にうっ血しますので、ゴムバンドやガードル、サポーターなどで締め付けないように注意が必要です。今話題のエコノミークラスシンドロームの予防には弾力性ストッキングが有効といわれています。

おわりに

弾力性ストッキングは、きついものなら何でも良いというわけではなく、それぞれに合わせて圧迫圧やタイプを選び、継続してはくことが重要です。足のむくみやだるさでお悩みの方は弾力性ストッキングコンダクターまたは専門医に相談されて効果的な使用をおすすめします。