ME&YOU診察室のコーナー11月号より

薬のちょっと上手な飲み方…

効果を発揮するために、服用方法を守りましょう。

特別医療法人福島厚生会福島第一病院 薬剤科 北村 奈央子

 薬を病院・医院・調剤薬局などから渡された際に、薬の説明を聞いたことがありますか。普段何気なく薬を飲まれていませんか。薬を飲む際のちょっとした注意事項についてお話したいと思います。

薬を飲むのに水なしではだめでしょうか?

 薬は少量の水かぬるま湯で飲むのが原則です。錠剤・カプセルはかまずにそのまま、少量の水分とともに飲み込みます。お茶で飲んでも大抵の場合かまいませんが、錠剤などは濃い緑茶と一緒に服用すると、吸収が悪くなったり、一部の薬では効果が下がる場合もありますので、できるだけ避けて下さい。
 
よく「水なしで薬が飲める」と自慢する方がいますが、薬が効果を現すためには、水分が必要です。特にカプセルは水なしで飲むと、食道にくっついて、薬がとけ出し、食道の粘膜を傷めることかありますのでくれぐれも注意して下さい。

薬を食前・食後に区別して服用する意味は?

 食前は食事の前約30分までに飲むと良いでしょう。一般に食前、食間では胃が空になっているので、薬物の吸収がよく、作用も現れやすくなっています。これに対して食事中、食事の直後では、食べ物が胃に停滞する時間が長いので、薬物の作用現れ方は遅くなりますが、効果は長く続くことができます。中には経口糖尿病薬のように、食事そのものが薬の作用に著しく影響するものもあるのでこのような場合には、薬の種類によって対応が変わってきます。ご自身が服用されている薬の種類を確認し、対処法を一度確認下さい。
 特に、食直前に飲む薬には食後の過血糖改善剤である、グルコバイ、ベイスンの2つがあります。この薬は、食後に飲んでも血糖値の上昇を抑えるのが間に合わないので、食事のすぐ前またはお箸を持つ直前に服用を守る必要があります。
 食直後に飲む薬は、食事のおかげで吸収の良くなるお薬です。エパデール、ユベラなどがあります。食後30分とは食事の後30分を目安に服用すると胃の中は、まだまだ食べたものが多くある状態で、薬はゆっくりと吸収され、比較的胃を荒らさず、また食後とすることで薬の飲み忘れを防ぐためです。
 食間といっても、食事をしながら飲むということではなく、食事と食事の間、または食後2時間位経った頃を言います。食事と食事の間の胃には、食べたものがなくなり、食前と同じような空っぽの状態になります。漢方薬は吸収されにくいので、胃酸の多い食前または食間の服用となります。

就寝前に服用する意味は?

 就寝前に飲む薬は、食前や食後の場合と違って、胃の中の状態とは関係ありません。就寝前に飲む薬には、下剤(寝る前に飲むと翌朝便通がある)や、睡眠薬などがあります。また、胃酸の分泌をおさえる胃潰瘍の薬(胃酸の分泌は寝ている時間に多い)、喘息発作を予防する薬も、就寝前に飲むことがあります。
 特に睡眠薬は患者さんの睡眠のリズムに合わせて処方されるため、アルコール類との併用では薬の効果が強く現れる場合がありますので、併用は避けたほうがよいでしょう。

ついお薬をのみ忘れる事があるのですが、その時はどうしたら良いのでしょうか?

 多くの薬は、1回くらい飲み忘れてもあまり問題はありませんが、忘れたからといって2回分をまとめて服用するのではなく、気づいたときにすぐ服用し、その後は時間をずらして服用するのが良いでしょう。1日3回飲む薬であれば、食事を3回しなくても、食事をするような時間に、だいたい均等に薬を分けて飲むと良いでしょう。  

急に中止すると危険な薬は?

 薬によっては、効果が出てくるのに時間のかかる薬もあります。また、続けているから効果が続いているというもの(ホルモン剤など)があります。また、血圧の薬のように、勝手に薬を飲むのをやめてしまうと、降圧剤によって血圧が落ち着いてきた血圧がかえって上昇して(リバウンド現象)、脳出血を起こすようなことがあり危険です。血圧が下がっているのは、降圧剤を飲んでいるためですので、薬の減量や中止を希望するときは医師に相談しましょう。

まとめ

薬はきちんと服用することで効果を発揮します。服用方法を守り、毎日の生活を有意義に過ごしたいものですね。