2016.11月号より

健康と若さのための腸内フローラA

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


腸内フローラ  腸内細菌は多種多様でその種類は一〇〇種類以上、個数は一〇〇兆個以上といわれている。腸内細菌はその特性によって健康に有益な善玉菌、悪玉菌、状況次第で善玉にも悪玉にもなる日和見菌の3種のグループに分類される。健康な人の腸内には善玉菌が悪玉菌より多く存在し、善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7ぐらいの割合が健康的なタイプ。
 腸内細菌の変遷
 赤ちゃんが母体内にいる時は無菌状態だが、出生と同時に産道や周りの人との接触などで体内に大腸菌などが棲み始める。母乳栄養の赤ちゃんは善玉菌(ビフィズス菌)が大勢を占め、離乳期の頃にはほぼ成人型の腸内フローラが完成する。成年期〜老年期にかけて年齢を重ねるとともに悪玉菌が増え、善玉菌が減少していく傾向がみられる。
 善玉菌を優位に保つためには
 善玉菌を優位に維持するには、乳酸菌やビフィズス菌等を含むヨーグルト、納豆、味噌、キムチ等発酵食品を普段から積極的に摂取することがおすすめ。摂取したこれらの菌が腸内にずっと定着することはないので、善玉菌を毎日腸に送り続けることが必要。また水溶性食物繊維やオリゴ糖などは善玉菌のエサとなるので普段から意識して摂ることが大切。ヨーグルトは腸に良いと言われているが色々な種類があり、入っている乳酸菌やビフィズス菌などの菌株もそれぞれ異なる。腸内環境は個人によって異なるので、食べているヨーグルトが自分に合っているかどうか見分けるコツは、2週間位続けて同じヨーグルトを食べ便通や体調が良くなったとすれば、それが自分に合ったヨーグルトと判断する。逆におなかが張ったり、変化がない場合には別の種類のヨーグルトを試してみる。善玉菌の働きを活かすには強烈な胃酸によって善玉菌が死滅してしまうのを避けるため、ヨーグルトは胃酸が薄まる食後に食べるのが賢明。
 また善玉菌を増やすためには水溶性食物繊維を多く含む食品、わかめ・ひじきなどの海藻類、リンゴ・キウイなどの果物やオリゴ糖を含む玉葱・ごぼう・大豆・乳製品・バナナ・蜂蜜などがおすすめ。
 腸の健康度チェック法
 大便は腸からの大きなたより。腸が健康であればあまり臭わない。悪臭がひどい場合には悪玉菌の働きで過剰な発酵が進んでいる証拠。排便が週に3回未満の場合は便秘を疑う
。  便の状態は腸の健康状態を反映する。イギリス・ブリストル大学の医師による便の状態チェックリストが国際的な便の形状尺度として使用されている。
@小さくて硬く、ウサギのフンのようにコロコロしている
Aコロコロした小さな塊がまとまったソーセージ状
B表面にひび割れのあるソーセージ状
C滑らかで軟らかなソーセージ状
D形がはっきりした小さな塊の軟便
E形がはっきりしない泥状の便
F固形物を含まない水溶下痢便
 @・Aは便秘。大腸に留まる時間が長いため、水分が吸収され過ぎて便が硬くなっている。B・C・Dは普通便。とくにCは理想的な形状。
 便の色調
 便の色調は食べた物に影響されるが、黄色〜茶色の場合はあまり問題がない。白っぽい便は胆汁が腸に流れていないことを意味し、胆道閉塞が疑われる。また血液が混じった血便は小腸や大腸からの出血の証拠。真っ黒い便(タール便)の場合は胃・食道からの出血を疑う。
 食生活は腸の健康に大きく影響するので、異常があれば医療機関で相談することが勧められる。