2016.10月号より

健康と若さのための腸内フローラ@

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


腸内フローラとは?
 最近健康食品などで話題となっている腸内フローラは、アンチエイジングの重要な要素の一つとして注目されている。食物の消化―吸収―排泄の流れの中で、小腸は消化・吸収の役目を果たしている。小腸の末端の回腸から大腸にかけては腸内細胞がびっしりと壁をつくって生息しており、お花畑の様子にもたとえられることから腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれている。
 腸内フローラは人の顔や個性がそれぞれ異なるように、各個人によって全く異なっており、その状態も日々の生活、習慣、ストレスや年齢により変化する。
 腸内に棲みつく無数の細菌
 腸内には様々な細菌が百兆個以上棲みついている。人間の身体が60兆個ほどの細胞からつくられていることからみると、途方もない数の細菌が腸内には棲みついていることが分かる。
 腸内フローラは3種類
 腸内フローラは善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分類される。
 善玉菌―乳酸菌、ビフィズス菌、こうじ菌など。腸の運動を促し、消化・吸収を促進、感染防御や免疫の働きを高め、ビタミンを合成する。
ヨーグルト、納豆、味噌、キムチなど発酵食品に含まれる。
 悪玉菌―大腸菌(有毒株)、ウェルシュ菌、ブドウ球菌など。腸内を腐敗させたり、毒素や発がん物質をつくる。また、ガスを発生させて腸の運動を妨げる。
 日和見菌―バクテロイデス、大腸菌(無菌株)、連鎖球菌など。身体が健康な状態ではおとなしくしているが、身体の抵抗力が低下した場合などに悪い働きをする。
 食物の流れ―入口から出口まで
 人の消化器官は口腔から咽頭―食道―胃―十二指腸―小腸―大腸まで全長9bにも及ぶ一本の管状になっている。食べたものは消化器管を通過する間に分解され、必要なものは腸内で吸収、不要なものは排泄される仕組になっている。消化器管で栄養素を吸収して初めて体内に受け入れたことになる。
 @口
 食物が口に入ると、唾液に含まれる消化酵素アミラーゼが、でん粉など炭水化物を分解する。
 A胃
 胃に食物が入ると胃酸・ペプシノーゲン・粘液を含む胃液が分泌される。胃液は食物繊維を柔らかくして外的菌を殺菌する。胃酸は強酸性なので、胃の粘膜を保護する粘液を含んでおり、消化にかかる時間はご飯・麺類で約2時間、肉類で3〜4時間ほど。食物は胃液の酵素と混ざり、蠕動運動でさらに細かい粥状になり十二指腸に送られる。
 B十二指腸
 肝臓は総胆管、膵臓は膵管で十二指腸につながっている。消化液はアルカリ性で胃酸を中和しながら消化を進める。膵臓はたんぱく質や脂質を分解し、肝臓からの胆汁は脂肪と結合して吸収を助ける。
 C小腸
 小腸の粘膜から分泌される各種の腸液により、さらに吸収される大きさにまで分解される。小腸の内側は輪状の粘膜のヒダに覆われている。ヒダは腸絨毛でびっしりと覆われており、栄養素はここを通って体内に吸収、一時肝臓に蓄えられた後、全身に送られる。
 D大腸
 小腸で消化吸収しきれなかった成分は腸内細菌が処理する。大腸には腸内フローラがびっしり棲んでおり、流れてきた消化物を分解して様々な物質を代謝する。大腸に棲む腸内フローラの働きは人の生活と密接に関わり、重要な役目を担っている。腸内フローラに目を向けてみよう。