2015.5月号より

『 県民の健康づくり推進―禁煙 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


 厚生労働省は平成24年の国民健康 ・栄養調査結果を公表した。新聞報道によれば、本県の20歳以上男性の喫煙率は39.7%と全国で最も高く、全国平均33.6%を6.1ポイントも上回っていた。この結果を受けて全国健康保険協会(協会けんぽ)福島支部は県薬剤師会と協力して、禁煙の指導に乗り出す旨の報道がなされた。
 日本における成人喫煙率
 日本における成人喫煙率は年々低下している。喫煙率は昭和40年男性82.3%、女性15.7%とかなり高率であったが、約40年後の平成26年には男性30.3%と52ポイントも低下し、女性は9.8%と9ポイント低下した。しかし現在は未だ約千五百万人が喫煙習慣があると推定されている。
 諸外国における喫煙率も近年低下傾向にある。現在ではフランスが最も効率で26.2%、次いでイタリア、日本と続いている。日本の成人男性における喫煙率を地域別にみると、福島県がトップ、次いで青森県、北海道が続いている。いずれも喫煙率は39%を上回っている。むしろ東京都、大阪府などの大都会では却って喫煙率は低い傾向があった。
 毎月22日は「禁煙の日」に制定
 日本国内12学会からなる「禁煙推進学術ネットワーク」では2010年2月より毎月22日を「禁煙の日」と定め、専門家の立場から禁煙の重要性を呼びかける活動を展開している。
 スワンスワン(吸わん吸わん)で禁煙を!!
 12学会禁煙推進学術ネットワークによる禁煙の日キャンペーンのHPにおいて、喫煙・受動喫煙の健康被害や禁煙による疾患リスクの低下、ニコチン中毒症の症状など詳しく専門的な立場から説明している。興味のある方はこのHPを開いてみては如何。
 喫煙が深くかかわる病気
 たばこに含まれる有害物質によって引き起こされる病気は肺ガン、COPD(慢性閉塞性疾患)等ばかりではなく、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧、脳卒中や胃ガン、咽頭ガン、すい臓ガン、膀胱ガン、子宮頸ガンやうつ病等数多くの病気のもとになっている。最近の研究では腎不全、腸管虚血、高血性心疾患、感染症、各種呼吸器疾患、乳ガン、前立腺ガン等の死亡原因にもなっていると報告されている。
 禁煙治療の実際
 タバコによる健康被害は、タバコを吸わない女性でも、肺ガンリスクは夫の喫煙本数が多いほど高いというデータもあり、受動喫煙の影響がタバコを吸わない人でも健康が損なわれている。空気清浄器はタバコの臭いは除去しても有害物質を全部取り除くことは出来ないので要注意。
 禁煙のための補助薬
 ニコチンパッチ
 ニコチンを皮膚から吸収させる貼り薬。毎日1枚皮膚に貼り、離脱症状を抑制する。8週間の使用期間が目安。
 ニコチンガム
 タバコを吸いたくなった時に、1日1個ゆっくり噛み、離脱症状を抑える。12週間の使用期間が目安。
 チャンピックス
 ニコチンを含まない飲み薬。禁煙時の離脱症状だけでなく、喫煙による満足感も抑制する。禁煙を開始する一週間前から飲み始め、12週間服用する。
 禁煙の効果とメリット
 禁煙の効果は長年タバコを吸った人でも遅すぎることはない。禁煙は性別・年齢・喫煙による病気の有無に関わらず全ての人々に大きく、かつ迅速な健康改善をもたらすのは実証されている。
 御希望であればぜひ禁煙外来にどうぞ!