2014.10月号より

『 アミノインデックスがんスクリーニング 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


 日本における「がん」による死亡者数は年々増加傾向にあり、死因の第1位となっている。2010年には全死亡者数119万7千人中「がん」による死亡者は35万3千人となり、全死亡者数の1/3を占めているのが現状。近年「がん」の診断技術や治療方法は急速に進歩している。早期に「がん」を見付け、早期に適切な治療を受ければ「がん」による死亡は確実に減らすことができる。癌対策としては早期発見・早期治療が鉄則。
 アミノインデックスがんスクリーニング(AICS)
 採血するだけの検査で至って簡単。血液中のアミノ酸濃度を分析して、健康な人と「がん」の人の違いを統計的に解析することで、「がん」であるリスクを予測する「AICS」が話題になっている。
 人の体は約60%が水分、約20%が蛋白質から成り、蛋白質は20種類のアミノ酸から作られている。健康な人の血液中のアミノ酸は安定し、一定に保たれている。しかし病気にかかるとアミノ酸濃度のバランスが変化することがわかっている。このアミノ酸濃度の変化に着目して「健康状態」や「がん」の可能性を診断する技術が進んでいる。最近アミノインデックススクリーニングは徐々に普及、インターネットには全国実施施設が掲載されている。
 AICSの適応と可能性
 AICSが適応する「がん」の種類は現在、男性では胃がん・肺がん・大腸がん・前立腺がん、女性では胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮がん・卵巣がんなどで、これらの癌についてリスクの評価が可能。(表1)
 「がん」であるリスクとは
 「がん」のリスクとは確率、可能性、危険性を数字化したもので、がんであるか否かをはっきり診断するものではない。従ってリスクが高い結果の場合にはそれぞれの「がん」について医療機関で精密な検査を行う事で、早期治療のきっかけとなる。
 「がん」スクリーニングの判定
 AICSはそれぞれの「がん」について、「がん」である確率を0.0〜10.0の数値(AICS値)で表わす。「がん」のリスクは数値が高い程、「がん」である確率は高くなる。またAICS値からリスクを判断する目安として「ランクA」、「ランクB」、「ランクC」と、がんであるリスクの傾向が3段階で示される。(表2)
 ランクCはがん?
 この検査はあくまで「がん」であるリスクを評価する検査で「がん」であるか否かをはっきりと判断するものではない。「がん」であるリスクが0である人は1人もいないのでランクAでも「がん」でないとは云いきれない。ランクBやランクCであっても必ずしも「がん」であるということではない。血液中のアミノ酸濃度は様々な原因で変化するので「がん」以外の病気でもAICSは高くなりランクBやCになる場合も有り得る。
 AICSは今までのがん検診とは異なり、新しいアプローチで血液中のアミノ酸濃度から「がん」のリスクを評価する新しい検査法。今までの「がん」に対する検査と併用することで「がん」を見つけ出せる可能性が高くなる。25〜90歳の日本人が対象で、食後8時間以上あけて午前中に5ml程度採血するだけの簡便性が特徴である。
 トライしてみる価値はありそうだ。