2014.1月号より

『 ロコモを防止しようA 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


健康寿命とロコモ
 健康寿命とは健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間。平均寿命から健康寿命を引くと男性は約9年、女性は約12年にもなる。自立度の低下や寝たきりで介護を要する状態は健康寿命の最大の敵。要介護や寝たきりは本人だけでなく家族など周囲の人にとっても問題となる。できるだけロコモ(運動器症候群)による障害を防ぎ、運動器の健康を維持することは重要な課題。

ロコモとメタボ
骨や筋肉の量は20〜30代をピークに徐々に減少。適度に体を動かしていないと60代以降思うように動けなくなるケースが多くみられる。膝や腰などを痛めると体を動かさなくなり、体重が増え、メタボになり、筋力は更に落ち、骨折や病気のリスクが高まる悪循環に陥る。前号で記したロコモ7項目チェックの一つでもあれば、早めに筋力維持、増強に励むことが重要。

ロコモ度テスト
@立ち上がりテスト
太ももの大腿四頭筋など脚力をチェックする。各年代に合った高さの椅子や台から前腕を組み、片足または両足で勢いをつけず立ち上がるテスト。日常生活で約40pの高さの便座から立ち上がる場合、片足のみで立ち上がれれば40〜50代、両足では90代まででバランスを崩さず立ち上がる事が出来ればOK。
Aツーステップテスト
筋力、バランス、柔軟性など統合的な歩行年齢をテストする。バランスを崩さない範囲で、できる限り大股で連続して2歩歩く。スタートラインのつま先から着地地点のつま先まで2歩分の歩幅を測る。2歩分の歩幅を身長で割って2ステップ値を算出する。ステップ値が1.67以上は20代、1.52〜1.47は40代、1.46〜1.42は50代、1.41〜1.27は60代、1.26〜1.10は70代、1.09〜1.00は80代、1.00未満は90代。
下肢筋力アップに大股歩き
脚力や歩行年齢が実年齢より高い場合、筋力トレーニングがおすすめ。日常生活でも大股歩きは筋力トレーニングに有効。できるだけ大股で前に踏み出す。ももが地面と水平になる位腰を深く下げ、上半身は倒さず垂直にそして更にもう一歩を踏み出す。1日20m位歩けば筋力アップに繋がる。
歩き方のポイント
膝と足の人差し指の向きが正面を向くようにして良い姿勢を意識して上半身を安定させて歩く事。階段を降りる際には、膝に負担がかからないように後ろ足でしっかり体重を支えながら下りる。また階段を昇る時は一段一段、足の裏がしっかり乗るように段の奥まで足を置く。足を浅く乗せると、体を持ち上げる時に膝が曲がり過ぎて負担がかかる。

ロコモで気をつける骨粗鬆症
ロコモでは特に女性は骨粗鬆症に注意が必要。骨の成分は半分がカルシウムなどのミネラル、半分がコラーゲン。ミネラル分が少なくなるだけでなく、コラーゲンの質が劣化する事でも骨のしなやかさが失われ骨折しやすい状態になる。骨のコラーゲンの状態を骨質といい骨粗鬆症の半分近くが骨質劣化型。閉経後の女性の骨粗鬆症は低骨密度型52%、骨質劣化型30%、低骨密度+骨質劣化型18%で、これらの変化は40代半ばに始まる。40代になったら骨密度検査がおすすめ。骨質についてはまだ研究段階であり、測定はできない。

ロコモ対策の食材「レバー」
 レバーは吸収しやすい良質たんぱく質。筋肉を作ると共に、ビタミンB群、鉄分がコラーゲンの生成を助けるのでロコモ対策にはピッタリの食品。ロコモは筋力低下、関節の不具合等で、運動機能が低下し日常生活に支障が出る。その兆候は実は20代から始まっているので要注意。