2013.1月号より

『 加圧トレーニング健康法 パート2 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


スポーツトレーニングを目的に始まった加圧トレーニングも、今や健康増進や体力向上を目的に取組む人が増加。週1〜2回しかも短時間で効果が得られる気軽さが魅力。  加圧トレーニングの科学的実証  東京大学文学院総合文化研究科の石井直方教授は中高年女性20名ほどを対象として研究を行った。腕の付根を加圧し軽いダンベルを使って腕の曲げ伸ばし運動を週2回行った。4ヶ月後のMRI検査では、肘屈折の筋肉が平均で20%、中には30%もの筋肉増加した人がいた。また直接トレーニングしていない肘伸筋も平均で13%の増加をみた。  

加圧により血流が制限される為筋肉内にできた疲労物質(乳酸)の量が増え、乳酸が刺激剤となって大量の成長ホルモンが分泌される。  本来成長ホルモンは15〜20歳に分泌のピークに達し、以後急激に減少が始まり疲れ易い、皮膚が衰える等の現象が気になるようになる。  成長ホルモンの働きは体の成長と新陳代謝の促進。この働きが筋肉増強や若返り、ケガからの回復等に大きな効果を発揮する。「加圧」により安静時の290倍もの成長ホルモンが分泌されることが証明されている。  

加圧トレーニングの効果  

@腕の力、足腰を鍛える  
加圧トレーニングの最大の特徴は短時間で大きな効果が現れること。腕は10〜15分、脚は15〜20分のトレーニングで充分。トレーニングの間隔は2〜3日あけ、週1〜2回に。トレーニングは出来るだけゆっくりとした動作で行うのが筋肉にかかる負荷が大きくなって、より効果的。  

A効率よくシェイプアップ  
食事を制限するダイエットを続けていると、筋肉が落ちてしまう。成長ホルモンは加圧トレーニングを行った後15分前後で分泌量がピークに達し、2時間後に脂肪の燃焼は最大となる。また長時間の立ち仕事は下半身のむくみを招くことがあるが、むくみは血流を促す事で解消。加圧で脂肪をしっかり燃焼させ、太ももの筋力を強化して、たるみのないスッキリした美脚をつくる。  

Bメタボの予防、改善に最適  
メタボを改善するには食事療法と運動療法を同時に行う事が大切。体脂肪を効率よく燃焼させる為には筋肉が必要で、加圧トレーニングで筋肉をつけるのが最も効率的。成長ホルモンは脂肪細胞の中にある中性脂肪の分解を促す役割も果している。  

C糖尿病と改善  
糖尿病は糖の分解に必要なインスリンが充分に分泌されない事に起因する病気。加圧トレーニングにより成長ホルモンが分泌され脂肪の代謝が高まる。さらに血糖値を下げる働きのあるインスリン様成長因子(IGF-T)も分泌される。このためすぐに血糖値が下がり、その効果は翌日まで続く。糖尿病の治療をしている人は充分な注意が必要だが、加圧トレーニングを続ける事で症状の改善が期待できる。  

Dがん予防にも有効  
国立がんセンターのがん予防指針では、定期的な運動の継続、毎日60分程度の歩行等の運動、週に1回程汗をかくような運動が望ましいとある。がんの発症は免疫力の低下と関係する。トレーニングによって大量に分泌される成長ホルモンは免疫力をアップさせる働きがある。プロゴルファーの杉原輝雄は60歳で前立腺がんを発症したが、加圧療法で腫瘍を小さくすることに成功した。  

E地上から400kmの上空にある国際宇宙ステーションには宇宙飛行士が常駐、人類の宇宙旅行は遠い夢ではなくなった。重力のない状態では筋肉や骨量が減り、心臓機能低下が問題となる。加圧トレーニングはその解決の鍵となるかも知れない。