2012.7月号より

『 身近なアンチエイジング(その4) 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


運動はアンチエイジングの基本

 歳を重ねると関節の可動範囲は狭くなり、筋力は落ちてくる。運動は糖尿病、高血圧や肥満症など生活習慣病の改善や予防に重要な役割を担っているばかりでなく、体力維持にも貢献する。

 有酸素運動とは?

 有酸素運動は息を普段より多く吸い込み、楽しみながらできる運動。充分に酸素を吸って、体内の糖質や脂肪をエネルギー源として燃焼し、ゆっくりとエネルギーを生み出す。有酸素運動は、呼吸は軽く弾む感じで、人と楽に会話ができる程度なので、気持ちよく身体を動かし、 30 分〜1時間は続ける事が出来る。

 有酸素運動はその人の目的によって運動量のレベルを変える。年配の人や楽な運動を選ぶ 場合には軽めの有酸素運動プラン。 ダイエット目的の人にはややレベルを上 げ、脂肪を多く燃焼するプラン 。また 基礎体力養成の為であれば「ややきつい」位にレベルを上げる。

 有酸素運動の代表的なものとしてはウォーキング、ジョギング、水中ウォーク、水泳、サイクリング等。運動器具を使ったものとしてはウォーキングマシン(ルームマシン)やエアロバイク等があり、脈拍や消費カロリー、歩行距離等コンピューター が自動測定してくれるものもある 。

 有酸素運動の効果

 有酸素運動の身体的な効果については、まず心肺機能、酸素摂取能力の改善。呼吸筋を発達させ、酸素の取り込みをスムーズにする。また血液循環を良くし、平常より心拍数を下げる効果もある。血液中のLDL(悪玉)コレステロール及び中性脂肪を減少させ、HDL(善玉)コレス テロールを増加させる作用もある 。 有酸素運動は安静時の血圧を低下させるので心筋梗塞の危険率を減少させる。また有酸素運動の継続により大腸ガン、糖尿病、骨粗鬆症等の発病率の低下を認められている報告もある。ストレス発散の効果もあり不安、抑うつ感を軽減し、健全感を高める効果も期待できる。

 無酸素運動とは

 短距離走や重量挙げのような瞬発力を要する競技で、組織におけるエネルギー産生方法が有酸素運動と異なる。競技中に呼吸をしていないという事ではない。筋肉には運動(筋収縮)のためのエネルギー源(ATP)が蓄えられており、急な運動をする時にすぐ使えるようになっている。瞬間的に力を発揮する瞬発力はこのパワーを利用している。その蓄えは数十秒でなくなってしまう。発揮する運動パワーに比べて、供給される酸素の量が不足する状態では酸素を必要としない糖質代謝のしくみ(嫌気的解糖)により無酸素運動が行われる。無酸素運動 の持続時間は1〜3分程度であり 、 筋肉のボリュームに直接関係する。

 レヂスタンストレーニング

 身体を支える筋肉や骨格は、 10 歳代でピークを迎え、 20 歳代から徐々に衰えていく。体力の衰え自体は避けられないが、衰える速度は努力次第で変えられる。筋力低下はまず下半身と腹部の脂肪に現れる。筋力のパワーが落ちて来たら、自分の体重を負 荷にした 「 スクワット 」、「 腹筋 」、 「腕立て伏せ」等の運動でも効果がある。

 ストレッチ

 関節を動かして筋肉をゆっくり伸ば し、 20 秒程度その姿勢を保持する 。 ストレッチの効果としては筋肉、結合組織の柔軟性の改善、筋肉のリラックス、血流改善等。

 無理のない、自分に合った運動の継続によって、QOLの維持・向上をはかる事は可能である。そのためには、運動を継続することが最も大事なことである。