2012.5月号より

『 身近なアンチエイジング(その2) 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


 美肌と丈夫な骨の維持
  アンチエイジングは単に見た目の若さだけを目指すものではない。元気で長寿を享受することを目指す理論的、実践的科学で、長寿の質を重要視している。たとえ歳をとっても、肉体的にも精神的にも「元気」であり、バランスのとれた状態を保つことが重要とされている。

肌は紫外線とAGEが大敵
  肌の老化を招く最も大きな要因は紫外線。毎日太陽紫外線を浴び続けている顔の皮膚は20歳を過ぎた頃から、「シミ」などが出始める。日差しを浴びると後で皮膚が赤くなる。顔、手の甲、腕の外側の皮膚は子供の頃から繰返し浴びている紫外線によって皮膚の遺伝子がキズつき、遺伝子の働きに異常が生じ、紫外線を浴びていない皮膚よりも「シミ」や「シワ」が出来、更には皮膚ガンなどの原因になる場合がある。これらの変化は「光老化」。日焼けを起す紫外線は午前10時〜午後3時頃が強いので、屋外に出る時は紫外線対策が必要。紫外線は空気中で反射拡散するので、「帽子をかぶり、ウエアを着て、露出部にUVカットクリーム」、また紫外線は目にも強い刺激を与え、白内障の原因ともなるので、「サングラス」などが紫外線対策としておすすめ。
  紫外線に次ぐ肌の老化の原因として糖化、ホルモンバランスの崩れがある。食後の高血糖で糖化されやすいのはコラーゲン。コラーゲンは体の組織の弾力性を保つ働きをしており、皮膚、骨、血管などに多く含まれている。特にコラーゲンの多い肌は老化物質AGEが蓄積しやすい組織の一つであり、高血糖を防ぐことイコール美肌対策となる。その対策は食生活に気をつけるだけでなく、積極的に体を動かす運動を習慣づけることが大事で皮膚を若く保つコツ。

骨をしなやかに
  骨粗鬆症予防にはカルシウムを十分に摂ることが大切。しかしカルシウムを十分摂っていても骨折しやすい脆い骨になってしまうことがある。それは骨はカルシウムの塊と思われがちだが、骨の体積の半分はコラーゲン。骨の中には無数のコラーゲン繊維が「梁」のようになっている。この梁が骨のしなやかさを保ち、弾力のある強い骨を作っている。ところが高血糖ではコラーゲンをガチガチに固める「悪い梁」が増えて骨のしなやかさがなくなってしまう。骨の組織が脆くなると背骨に小さな傷が増えて、背骨がつぶれてしまう「圧迫骨折」を起こしやすくなる。背骨の骨折は連鎖的に次々と骨折を引き起し、下半身の痺れなど不自由な身体となることもあるので要注意。

骨のアンチエイジング
  骨のアンチエイジングは食事と運動がポイント。骨の健康維持のためには1日3度の食事をしっかり食べ、更にカルシウムを多く含む食品(牛乳、乳製品、大豆食品、緑黄色野菜、小魚など)を毎食一品以上食べて充分量のカルシウムを摂る。ダイエットや食生活の乱れは、偏った栄養摂取やカルシウム不足が懸念される。またやせ、低栄養、カルシウム摂取不足の他に、ビタミンD不足、ビタミンK不足には充分留意する必要がある。
  また運動すると、骨の材料となる骨芽細胞が体重による重力を感じて、コラーゲンと骨を作る酵素を増産し、骨を若返らせる。水泳は、浮力により体にかかる重力が弱くなるので比較的に運動効果は低い。骨に体重がかかる有酸素運動や筋トレの方が有効。ウォーキング、ジョギング等がおすすめ。運動の習慣のある人は老化の悪影響が少ないというエビデンスがある。食生活に気をつけるだけでなく運動も積極的に続けるのがアンチエイジング―抗加齢につながる。