2012.1月号より

『 低インスリンダイエット 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


 従来ダイエット法は低カロリーの食品を元とし、運動で消費エネルギーを増やし体重を落とすやり方が一般的。これに対しここに紹介する低インスリンダイエットはインスリンの働きに着目し、食品のGI値(グリセミック・インデックス)(後述)を基準に食品を選ぶのが特徴。通常食事をすると血糖値が上昇し、それに反応してインスリンが分泌される。インスリンがたくさん分泌されるほど体内で脂肪合成が進み、結果として肥満につながる。肥満を避けるためにインスリンが分泌しにくい低GI値の食品を選ぶのが低インスリンダイエットのポイント。
インスリンの役目
  膵臓のβ(ベーター)細胞が何らかの原因で破壊されると血糖を調節するホルモンであるインスリンが欠乏し、1型糖尿病となる。また血液中にインスリンは欠乏してはいないが、肥満などによってインスリンの働きが悪くなる2型糖尿病がある。日本人の糖尿病の約80%は2型糖尿病といわれている。
  日本人は食事から摂取するエネルギーの約65%は炭水化物(糖質)から摂っている。糖質からの過剰なエネルギー摂取は多くのインスリンの分泌を促し、脂肪の過剰蓄積や血管や神経組織の損傷につながる。更に血糖値が高い状態が続くと常にインスリンが分泌されるため脂肪の過剰蓄積ばかりか、結果としてインスリンの働きが低下し、糖尿病や動脈硬化の原因となる。
グリセミック・インデックス(GI値)とは
  ある食品を食べたとき、血糖値がどれだけ早く上昇するかをブドウ糖を100として数値化した指数がGI値。GI値が高いほど食後に急激に血糖値が上昇し、大量のインスリンが分泌されることになる。そうなるとインスリンは過剰な糖分を脂肪に変えるので肥満の原因となる。
  食品と食べた後の血糖値の関係は糖負荷指数(グリセミック・ロード)と呼ばれ、食品に含まれる炭水化物の量とグリセミック・インデックス(GI値)により決まる。
  例えば白米と玄米での糖負荷指数は、白米150gには約36gの炭水化物が含まれ、GI値は83であるので糖負荷指数は36×83/100=30、玄米150gには33gの炭水化物、GI値は55なので33×55/100=18である。炭水化物量が多くGI値の高い食品では食後の血糖値は上る。食後血糖値の急上昇を抑えるためには白米より玄米を食べた方が良いことになる。
  GI指数の高い食品はブドウ糖(100) 、 白いパン(95)、マッシュポテト(90)、餅(80)、ビスケット(70)。一方低い食品はパスタ(40)、ライ麦パン(40)、乳製品(35)などで、精製されたものほどGI値は高い。
  アンチエイジングの観点から血液中のインスリンを低く保つためには@低グリセミック・インデックス(
低GI値)の食物を摂るA間食をしないBアルコールはほどほどにC適度な運動を習慣づけることである。
  従来のダイエット法では摂取カロリーを減らすために、出来るだけ炭水化物(糖質)の摂取を減らすことが推奨されている。しかし低インスリンダイエットでは主食の糖質を考え、低GI値のものをしっかり摂ることで余分な脂肪のつくのを防ぐアイデアである。低GI食品を中心に食事を組立てるダイエットはインスリンの上昇を抑制できるので、低インスリンダイエットと呼ばれる所以である。
  長生きの人は血液中のインスリン濃度が低いことがわかっている。アンチエイジングのためにはインスリン値が急激に上昇しないように、いつも適切な範囲に保つことが長生きのコツ。