2011.7月号より

『 骨粗鬆症 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症は骨の中の構造が海綿状になり、脆く折れ易くなる病気。高齢者が寝たきりになる原因の第2位が大腿骨や背骨の骨折である。そのベースになっているのが骨粗鬆症。現在日本には 1000 万人以上の骨粗鬆がいると推定されている。

 7割以上が女性

 女性では閉経後エストロゲン(女性ホルモン)分泌が低下することにより骨吸収が亢進し、骨密度が急激に低下 するのが原因の一つになっている 。 一方男性の場合は加齢とともに骨密度が低下、骨折のリスクが高まるのは 80 歳を超えてから。

 骨が脆くなる原因

 食事で肉類などの蛋白質を多く摂りすぎると、体液が酸性に傾いて、それをアルカリ化するために骨からカ ルシウムが溶け出す 。 男性の場合 、 男性ホルモンの減少によっても造骨作用が低下し、骨が脆くなる。極端なダイエットにより必要な栄養素が不足することでも起る。運動不足が原因となることもあるので注意しなければならない。

 骨粗鬆症の検査法

 骨粗鬆症の予防はまず自分の骨の骨密度を調べ、現在の自分の骨の状態を把握することに始まる。レントゲンを用いて腰椎や大腿骨近位部を調べる。簡易な方法としては超音波を用いて足の骨密度を測定することでもわかる。病院では大掛かりな全身の骨密度を検査する全身骨スキャンもできる。

 何より予防が大事

 骨粗鬆症による典型的な疾病として腰椎圧迫 骨折、大腿骨頸部骨折などがある。 治 療は難しいので、まず予防が肝腎。 基本は十分なカルシウム摂取とバラン スのとれた運動が重要なポイント。カルシウムを多く含む食品、 牛乳、ヨーグルトなどの乳製品、イソフラボンが含まれる大豆製品、小魚、海藻類を摂ることを心掛ける。同時にカルシウムの代謝を助けるビタミンDを多く含む青魚や乾シイタケを摂ることに留意する。

 ビタミンDが不足すると血液中に余ったカルシウムが血管や関節に蓄積 し 、 動脈硬化や関節痛を引き起す 。 一日 20 分ほど日光に当ることで必要量のビタミンDは体内で合成することができる。

 適度な運動を行うと骨を刺激し、骨芽細胞の働きが高まり、骨量が増えるともいわれている。

 タ バコはカルシウムの吸収を妨げ 、 アルコールの飲みすぎは骨をつくる骨芽細胞の働きを弱めるとともにビタミンDの働きを抑制する。

 カフェインは尿からカルシウム排泄が増加するので過剰摂取は骨量の低下を招く。せいぜい一日四杯位にとどめたい。また炭酸飲料はカルシウム吸収が障害されるので骨量の低下を来すので要注意。

 骨粗鬆症の治療

 バランスのとれた食生活、適度な運動でも骨量の増加がみられない場合にはホルモン補充療法が行われることもある。女性の場合エストロゲン(女性ホルモン)の分泌低下によるのでエストロゲンの補充により、骨量の増加や閉経後の全身症状の改善が認められる。ただしホルモン療法には乳癌、子宮体癌などの有害事象に留意する必要がある。現在骨粗鬆症の治療薬としてはラロキシフェンが用いられているが、ホルモン療法のような有害事象はない。

 男性では栄養状態が良くない場合にはカルシウム・マグネシウムのサプリメントと良質な蛋白質の摂取が必要。さらに男女とも加齢とともにビタミンDの血中濃度が低下するので、基準値以下の場合はビタミンDを食事やサプリメントで補充する。

  今年は骨の健康にも目を向け、活動的な毎日を目指してみませんか。