2010.12月号より

『 特定健診 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


特 定健診は 2008 年4月から実施され 、 メタボ健診とも云われている。 40 〜 74 歳までの公的医療保険加入者全員を対象とした保健制度である。

 特定健診の目的

 日本人に多い死因はがんに次いで脳卒中や心臓病だが、これらの原因となる高血圧、糖尿病、脂質異常などの生活習慣病の特徴を早く見つけることが目的。検査項目としては、 1. 問診 ( 生活習慣や行動習慣 ) 2. 診察 ( 理学的所見 ) 3. 身体計測 ( 身長

・体重・腹囲・肥満度・BMI ) 4. 血圧測定 5. 血液検査 6. 尿糖・尿タンパク検査。

 検査結果と保健指導

 健診の結果、生活習慣病のリスク要因の数や年齢より判定して保健指導の必要度を3グループに分類。

 メタボのリスクの低い人では情報提供のみ。中等度の人では保健指導を行う動機づけ支援グループ。リスクが高い人は継続的に保健指導する積極的支援グループに分ける。

 肥満度の判定

 @BMI(ボディー・マス・インデックス )

 国際的に広く用いられている肥満度判定法。BMI=体重 ( s ) ÷(身長 ( m ) ×身長 ( m ) ) で算出 。 18.5 以下やせ ( 低 体重 ) 、 18.5 〜 25 ふつう、 25 〜 30 肥満T度、 30 以上は肥満度は上がる。

 A体脂肪率

 電気抵抗から体重に占める脂肪の割合を算出する機器を使用。男性 25

%以上、女性 27 %以上は肥満。

 B腹囲 ( ウエスト周り )

 基 準値は男性 85 p 、 女性 90 p未満 。

 C腹部CT検査

 CTを用いへその位置で腹部横断面の体脂肪をカラーで撮影。 100 ?以上の内臓脂肪型肥満は要注意。脂肪が皮下につく皮下脂肪型肥満と明確に区別ができる。

 血圧測定

 日本高血圧学会のガイドラインでは 65 歳以上で高血圧の人は降圧目標を 140 〜 90 mmHg 未満とし、生活習慣病や服薬指導を行う。

 血液検査

 @AST(GOT)とALT(GPT)

 AST・ALT両方とも高値の場合 は肝臓・胆道系の病気が疑われる 。 ASTだけ高値なら心筋梗塞、心筋炎、筋炎が疑われる。

 AガンマGTP

 基準値は 45 以下。アルコール性肝障害が疑われる。飲酒常習者では正常に戻るのに 一 ヶ月以上かかる。

 B脂質異常

 血液中の脂質が増えすぎると動脈硬化の原因となる。特定健診の診断基準では悪玉の LDL コレステロール 140 mg/ ? 以上、善玉の HDL コレステロール 40 mg/ ? 以下、中性脂肪 150 mg/ ? 以上が脂質異常症となる。

 C血糖とヘモグロビン A 1 c

 空腹時の血糖値 110 mg/ ? 未満、食後2時間後 140 mg/ ? 未満が基準値。ヘモグロビン A 1 c は血糖コントロールの状態を反映し、過去の食事の不摂生がわかる。

 D尿糖、尿蛋白検査

 血液に含まれるブドウ糖が一定限度を超えると糖が尿に出るので糖尿病を見つける第一歩。また尿蛋白は腎臓や尿路 ( 尿管、膀胱、尿道 ) の異常を見つける。

 健診の問題点

  健診はもともと自覚症状がない人を対象に異常な箇所はないか、また長 年に亘って積み重ねた食事の偏り 、 運動不足、喫煙、過去の飲酒、ストレスなどが及ぼす健康への影響を見つけて対処する基となるもの。かかる観点からは特定健診の内容で十分という訳には行かない。健康管理は自己責任、医療機関が独自に実施している人間ドック、アンチエイジングドックで更に詳しい検査が必要である。