2010.5月号より

『 西野流呼吸法 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


由美かおるの健康法

 昨年7月民報健康フォーラムが福島市公会堂にて開催され、西野流呼吸法と題して由美かおるの講演と実演が行われた。由美かおるは還暦を迎える歳であるが、デビュー当時から変らない抜群のスタイルと生命感溢れるパワーでテレビ出演、西野流呼吸法の講演と実演などで活躍している。著者はかねてより西野流呼吸法に興味を持っていたので由美かおる の講演と実演を興味深く拝聴した 。 来福時に伺った話ではどんなに忙しくとも毎朝西野 流呼吸法を実行していることを伺い 、 由美かおるの健康の秘訣を知ることが出来た。

 西野皓三師の編み出した呼吸法

 西野師は昭和元年生れ。はじめは医学を志し、大阪市立医科大学に入学した。次にバレエに魅せられ、一転してバレエ団に入った。本場アメリカのメトロポリタン・オペラ・バレエスクールに留学、帰国後西野バレエ団を設立した。映像の世界にも踏みこみ、テレビでバレエ番組、音楽ショー 番組を企画、構成或は映画の 企画 、 プロデュースなども行った。 これらを通じて絶えず求めていたのは身 体を通して表現できる「生命の美」 であったという。また武道、拳法を壮絶 な鍛錬を経て極め、医学 、 バレエ、武道を通して人間に無限に開 かれた 「 生命の輝き 」 を追求して 、 ついに西野流呼吸法を創り出した。由美かおるはバレエ、合気道、呼吸法を通じての教え子である。

 西野流呼吸法の要点

 西野流呼吸法では「 宙遊 ( ちゅうゆう ) 」と「 足 ( そく ) 芯 ( しん ) 呼吸 ( こきゅう ) 」 がベースになっている 。「 宙 遊」という概念を用いてより効果的な呼吸法を指導している。「宙遊」とは心地よく温泉につかり、身体がふんわりと自然に浮んでいるような状態をいう。宇宙の無重力空間を自由に遊泳しているようなイメージである。西野流呼吸を身につけることによって、常に宙遊でいられるような身体になれば人間のもつ潜在能 力が思うように現れてくるという 。 この宙遊は日常生活やスポーツなど人間が生きていく上でのあらゆることに当てはまる原理としている。

緩揺 ( かんよう ) と 旋捻 ( せんねん )

 西野流呼吸法では身体を緩める緩揺と捻る旋捻を基本的な柱としている。ただ「捻る」というと、どうしても肩や腕の筋肉に力を入れ、腰を固 めてギューギューと捻ってしまう 。 あくまで全身が「緩んで」いて、自然にスムーズに「捻れ」なくてはならない。「緩める」ことと「捻る」ことの相関関係から創り出される身体 の状態こそが 「 宙遊 」 なのである 。

 足芯呼吸

 足芯呼吸は足の裏から息を吸う。その息は両足を上り、膝、太ももを通って丹田に至る。続いて背骨の内側を通り頭の頂点に達する。ここで軽く息を止め、そのままの状態で鼻筋・口・喉・胸と身体の前面を下ろし、丹田におさめる。このように息を全身に巡らせたのち呼出する。足の裏 から吸うといっても鼻から吸うが 、 足芯から吸う意識で行う。西野流呼吸法の最も重要な「宙遊」における緩揺、旋捻は常に足芯呼吸とともに行う。由美かおるの健康の秘訣はこの足芯呼吸であるとしている。足芯呼吸は文字通り足の裏から息を吸う、吐くという意識で呼吸する訳である。一度覚えると簡単でどこでも出来る呼吸法で、柔らかで強靭な身体をつくり、由美かおるは食べても 太らない 、 ストレスがたまらない 、 疲れが残らないなどの効果が絶大であると述べている。

  西野流呼吸法にはこの他に基本的ないくつかの型がある。華輪で身体をほぐし、天遊、円天、周巡、行雲などで、一日 30 分程度の呼吸法の習慣が基本である。興味ある方 はぜひチャレンジされては如何か 。