2010.1月号より

『 インフルエンザ 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


インフルエンザは風邪とは違う

 インフルエンザと風邪とは原因となるウイルスが異なる別の病気である。風邪のひどくなったものがインフルエンザではない。冬季に流行する季節性インフルエンザ(ソ連型・香港型など)はほとんどの人が過去に感染やワクチン接種などによって基礎免疫を持っているので感染したとしても重症となる事は余りない。今回の新型インフルエンザも今後1〜2年大流行して、その後季節性イン フルエンザとなる事も予想される。

 新型インフルエンザ

 今年4月豚H1N1型ウイルスが人から人に感染するように変化を遂げ新型インフルエンザが発生した 。 一方鳥の仲間では 2004 年以降、東南アジアから世界中に感染が広がり、人への感染も発生した。鳥インフルエンザは毒性の強いウイルス(H5N1型)であるので目下世界中で対策が進められている。

 豚インフルエンザは今までの季節性インフルエンザソ連型と同じ型ではあるが、異なるウイルスなので従来のワクチンでは効果がない。豚インフルエンザのワクチンは豚インフルエンザウイルスから新たに作らなければならない。従ってワクチンが国民に届くまでには6ヶ月〜 18 ヶ月位はかかる。

 新型インフルエンザは一旦流行すれば感染拡大を防ぐのは非常に難しい。人口密度が高く、かつ高速交通機関が発達している現代では一週間前後で世界中の国々に広がってしまう恐れがある。フェーズ6になると人から人へ急速に感染が拡大するパン デミック ( 世界的大流行 ) となり 、 同じ時期に大量の患者が発生して医療機関や社会活動が麻痺してしまう可能性も憂慮される。

 インフルエンザの症状が出たら?

 インフルエンザが疑われる症状は突然 38 度程度の高熱、咳、のどの痛み、だるさ、鼻汁、鼻づまり、頭痛などである。重症になると呼吸困難や息切れ、胸痛、嘔吐や下痢などがみられる。重症化した場合やハイリスク者 ( 妊婦 、 幼児 、 高齢者 、 慢性肺 ・ 心疾患、糖尿病、腎機能障害)は早めに医療機関の受診が必要である。受診の際はあらかじめ医療機関に電話連絡し、指示を仰ぐ事また受診時マスクを着用し、他の人に感染させない配慮を忘れてはならない 。

 新型インフルエンザの治療

 新型インフルエンザには抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)が有効である。ウイルスの増殖を防ぐために症状が出たらなるべく早く少くとも 48 時間以内に服用する事が強くすすめられる。

 インフルエンザワクチン

 新型インフルエンザを予防するためにはワクチンの接種が最も有効である。政府の新型インフルエンザ対策本部は今回( 12 月 16 日)新型ワクチン接種の対象外だった健康成人にも接種するワクチン量の供給の見通しがついたことを発表した。本年度内 に国産ワクチンを5400万回分 、 海外メーカー2社から9900万回分を購入する方針である。ようやく全国民分のワクチンが確保された事になる 。 安全性確認などの問題があり実際に使えるのは一月以降になる見通しである。

 新型インフルエンザの予防心得

 @ウイルスは手を介しても感染するので外出から帰ったら手洗い、うがい、洗顔してウイルスを洗い落とす。A外出する際には人ごみをなるべく避け、マスクやめがねなどを着用 する 。 B出来るだけ外出を避ける 。 C 「咳エチケット」を守る。咳やくしゃみはウイルスを1〜2メートル飛ばし、他人にうつす恐れがある。マスクのない時はハンカチやティッシュで口や鼻を覆うのはお互い守るべきエチケットである。