2009.9月号より

『 あと何年生きられるか 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


 本年7月 16 日厚生労働省より平成 20 年の簡易生命表が公表された。それによると日本人の平均寿命は男性 79.3 歳、女性 86.1 歳と伸び、3年連続最高を更進した。男女差は大きく 6.8 年となっている。女性は前年より 0.06 年延 び、 24 年連続で長寿世界一となり、 男性も 0.10 年延びたが世界3位から4位に下がった。

 福島県民の平均寿命

 福島県民の平均寿命は平成 18 年のデーターではあるが、男性 78.2 歳、女性 85.3 歳と日本平均に比し男性では 1.1 年、女性では 0.8 年短命で、男女差は 7.1 年と広がっている。

 平均寿命の国際比較

 日本女性は最長寿であるのは確実で、2位は香港 85.5 歳、3位フランス 84.3 歳であった。一方男性のトップはアイスランドで 79.6 歳、2位は香港とスイスが共に 79.4 歳であり、日本は第4位であった。いずれも日本より長寿となっている。

 未だ人生 50 年の国もある

 短命ワースト3は女性ではナイジェリア 52.2 歳、南アフリカ 52.9 歳、インド 63.9 歳である。男性では南アフリカ 49.9 歳、ナイジェリア 52.0 歳、ブラジル 68.8 歳である 。 アフリカなどでは内乱 、 エイズなど深刻な問題が影響しているようだ。

 あなたの寿命はあと何年?

 男性では平成8年生れの赤ちゃんは 79.3 年の寿命がある。統計上では現在 40 歳男性では 40.5 年、 50 歳では 31.2 年、 60 歳では 22.6 年、 70 歳では 14.8 年、 80 歳では 8.5 年、 90 歳では 4.4 年、 100 歳では 2.3 年の寿命がある。女性では赤ちゃん 86.1 年、 40 歳では 46.9 年、 50 歳では 37.3 年、 60 歳では 28.1 年、 70 歳では 19.3 年、 80 歳では 11.4 年、 90 歳では 5.7 年、 100 歳では 2.8 年である。 女性は男性に比し長寿であるのは間違いない事実である。

 死亡原因の変遷

3 大死因(がん、心疾患、脳血管疾患)による死亡率は 4 年前(平成 16 年)に比較すると男性では 65 歳 57.2

%より 55.2 %、 75 歳 54.4 %より 52.6 %といずれの年代でも減少している。女性では 65 歳 54.3 %より 51.7 %、 75 歳 53.1 %より 50.4 %と3大死因による死亡は男性と同様に減少している。

 高血圧による死亡率

 高血圧による死亡率は4年前に比し男性 65 歳では 0.50 %から 0.49 %、 75 歳では 0.56 %から 0.53 %である。女性では 65 歳 1.04 %から 0.93 %、 75 歳 1.10 %から 0.98

% へといずれも軽度改善がみられる。

 平均寿命が延びた理由

 平均寿命が平成 20 年に以前と比べ延 びた理由としては、がん、心疾患、 脳血管疾患などの3大死因による 死亡が減少したことが挙げられる。

 男性では 65 歳と 75 歳の各年齢層において、いずれもがん、脳血管疾患による死亡は減少傾向を示しているが、心疾患による死亡は微増している。女性ではがん、脳血管疾患、心疾患による死亡がいずれも減少傾向を示している。

 却って死亡率が上昇した疾患

 4年前に比し平成 20 年において死亡率が増加した疾患は糖尿病および肺炎による死亡率である。

 糖尿病が原因の死亡率は男性では 65 歳 1.00 %から 1.08 %、 75 歳では 0.88 %から 0.95 %で ある。女性では 65 歳 1.12 % から 1.18 %、 75 歳 1.07 %から 1.14 %とやや増加傾向がみられる。また高齢者にとってリスクの高い肺炎は男性では 65 歳 13.73 %から 14.06 %、 75 歳では 15.74 %から 15.85 %と死亡率は高くなっている。女性では 65 歳 12.18 %から 12.43 %、 75 歳では 12.94 %から 13.13 %と同様に死亡率は高くなって来ている。糖尿病は予備軍を含め増加していること、また糖尿病は自覚症状がないので放置の結果、重症化してしまうケースが多い。

 肺炎は高齢者や体の抵抗力の弱った状態ではリスクは高いので要注意である。