2009.1月号より

『 健康長寿 』

社会医療法人福島厚生会
理事長  星野 俊一


寿命いろいろ

 生物が生きることのできる最長の時間を「最長寿命」といい、人間では遺伝子の構造などから計算して約 120 年が定説となっている。ゾウ 70 年、ウマ 46 年、イヌ 20 年、ハツカネズミ 3.5 年などが知られている。「平均寿命」とは0歳児の平均生存年数を予測したもので、毎年発表される簡易生命表の各年齢の死亡率をベースにして導かれるものであるので、年代とともに平均寿命は変化する。 2008 年日本人の平均寿命は女性 86.0 歳男性 79.2 歳で過去最長を更新した。ちなみに福島県人では女性 85.2 歳、男性 77.9 歳であり、ちょっぴり全国平均を下廻っている。

 一方長寿者ではあるが寝たきりや身の廻りのことも出来ない状況にある人も少なくない。平均寿命年数から著しく QOL の低下した年数を差引いたものが「健康寿命」とよばれるものである。 2002 年世界保健機構( WHO )は日本を世界で一番健康寿命を達成した国と認定している。

 どうして老化は起るのか

 老化の研究は未だ発展途上といったところである。現段階で老化の原因としてはいくつの説がある。

 @フリーラジカル説

 リンゴの皮をむいてそのままにしておくと褐色に変色するが、これは空気中の酸素によってリンゴの果実が酸化されて起る現象である。身体の中でも同じような現象が日常起っている。フリーラジカル説では「身体 の 酸化が老化の犯人」としている。 フリーラジカルとは体内で発生する有害な酸化物質の総称で 「活性酸素」 がその代表格である。活性酸素はきわめて凶暴、細胞の中のミトコンドリアで酸素が消費され、エネルギーが作られる際に発生する。体内の活性酸素が一定量以上に増えると細胞は死滅したり、機能低下が起る。結果として内臓臓器の低機能や萎縮、動脈硬化などが起る。活性酸素は普通の呼吸で吸い込む空気の酸素の2〜3%が活性酸素に変ると考えられている。またタバコ、紫外線、大気汚染、ストレス、過度の運動などによっても発生する。アンチエイジング(抗加齢)の成否は、身体のまわりにある活性酸素をどれだけ断ち切れるか、あるいは抗酸化物を取り込んで酸化物質を消せるかにかかっている。

 Aその他の老化の原因とされる説

 細胞の寿命を刻む老化時計といわれるテロメア説、免疫機能低下説、遺伝子説、ホルモン説などがある。

 抗酸化の決め手

 活性酸素の攻撃から身体を守るためには活性酸素によって障害された細胞を修復したり、再生したりする「抗酸化物」で防御しなければなりません。抗酸化物にはいろんな種類があるが、なかでもビタミンC、ビタミンEおよびβカロチンは活性酸素 に対して強力なパワーを発揮する。 ビタミンCは緑黄色野菜・いも類・果 物などから、ビタミンEは植物油・ 緑 黄色野菜・豆類・うなぎなどから、 βカロチンは緑黄色野菜・わかめ・のりなどに多く含まれている。ビタミンCとEを一緒にとることで、抗酸化力がより効果的に作用する。更にβカロチンを組合せれば更にパワーアップする。

 老化現象を防ぐためには

 老化を防ぐためには最も有効な手段は抗酸化物質を体内に補給して、フリーラジカルを消して了うことです。抗酸化物質は前述の普段食べている野菜や果物に含まれています。アンチエイジングドックでは活性酸素に よって引き起される有害な反応(酸 化ストレス)を統合的に検査することができる。日本人の三大死亡原因であるがん、脳卒中、心筋梗塞を克服する鍵は抗酸化物質にあるといえる。